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国立がん研究センター

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当センターにおける医療機器等調達に係る収賄事件に関する対応について

当センターは、2022年10月5日に前放射線技術部長が逮捕されたこと(同月26日再逮捕、同日起訴、これらを含め以下「本件」という)を踏まえ、理事長の指示のもと、同月24日に外部有識者(他法人理事、公認会計士及び弁護士)を含めた「収賄容疑による起訴事案に関する調査委員会」(以下「調査委員会」という。)を設置し、本件に係る事実関係の調査及び再発防止策の検討を行って参りました(別添参考)。

この度、調査委員会から調査結果の報告及び提言を受けたことから、当センターにおいて検討・実施すべき再発防止のための改善策をとりまとめましたので、下記のとおりお知らせいたします。

本件に関しましては、当センターをご利用の患者様をはじめ、関係の皆様には多大なご心配とご迷惑をお掛けしましたことを、改めて深くお詫び申し上げます。

当センターとしましては、調査委員会による報告及び提言を重く受け止め、本件の問題点等を全職員に周知するとともに、今後、調査委員会から提言を受けて取りまとめた再発防止のための改善策を着実に実施することにより、信頼の回復に努めて参りますので、ご理解を賜りますようお願い申し上げます。

  1. 本件の概要等について
    当センター中央病院の前放射線技術部長(以下「前放射線技術部長」という。)が、PET-CT装置他2件の契約にあたって便宜を図った見返りとして、特定の業者からタブレット端末等(賄賂)を受け取ったとして、本年(2023年)8月25日、前放射線技術部長に対し、収賄罪により懲役2年、執行猶予4年間、並びに横浜地方検察庁で保管中のタブレット型端末等の証拠品の没収及び追徴金(1,635,605円)を課すとの判決が確定したものです。
    なお、本件に関して、当センター職員や多数の取引業者に対し、事実関係を確認するための聞き取り(ヒアリング)及びアンケート調査等を実施した結果、前放射線技術部長以外のセンター職員及び上記特定の業者以外の取引業者による関与は認められませんでした。

  2. 再発防止のための改善策について
    調査委員会の提言を踏まえ、当センターとして、以下の事項について改善策を検討し取りまとめましたので、これを速やかに実施して参ります。

    (1)組織及び業務管理方法の見直し
    放射線技術部門(所属は診療放射線技師)については、当該部門を直接管理する医師・診療科が組織されていないことから、放射線管理部門における業務の管理方法等も含め、内部統制が強化された組織に見直す必要がある。

    (2)教育研修等の実施
    本件を題材として、当センターの全職員に対してコンプライアンス強化のための教育研修等を実施するなどして、組織風土を改善する取組を推進し、同様の非違行為等の再発を防止する必要がある。
    また、当センター内部通報制度を機能させるための研修等を実施するとともに、弁護士など第三者の支援を受け、法令、規程等の遵守に関する管理職向けの実践的な意見交換会を実施するなど、より一層のコンプライアンス強化のための取組を進める必要がある。

    (3)仕様書策定手順、仕様内容、納品物品及び検収方法の明確化
    物品等購入に当たっての仕様書策定手順を規定した規程等を制定するとともに、調達する物品と直接関係のない物品等が仕様書に含まれることを防止するため、仕様内容の明確化を図るとともに、仕様書の内容について仕様書策定員会の設置等を通じて公平性、透明性、適格性を確保する必要がある。
    また、契約時において、納品物品一覧の提出を求めることを仕様書等に明記するほか、特殊な役務等の検収に当たっては、具体的な方法を明記したマニュアル等を作成するなど、適正に納品検収を実施するための体制を整備する必要がある。

    (4)業者の訪問管理及び連絡体制の明確化
    個室などの閉鎖的な環境で業者と面談しないなど、業者が訪問したときの対応方法等を明確にするとともに、契約時に当センター事務担当者と契約相手先双方の窓口を登録し、製造元から要望部署へ直接連絡することを禁止する等、連絡体制を明確にする必要がある。

    (5)流通性の高い物品の管理体制の整備等
    流通性が高く、換金(売却等)が可能なパーソナルコンピューターやタブレット端末等について、購入台数や購入時期など、納入された物品等の納入状況等を検証するとともに、当該物品の存在を適宜確認する必要がある。

  3. 財務諸表等への影響について
    本件の調査経過等について、当センター監事等が確認、監査等した結果、令和4年度の決算において財務諸表等に重要な影響等は確認されませんでしたので、ご報告いたします。

  4. 各放射線医療機器の安全性について
    本件に係る各放射線医療機器等の性能や評価に関して、これまで当センター医師及び診療放射線技師等から稼働不良などの事象は報告されておりませんので、本事件に関連して当センターに納品された当該放射線医療機器等自体の安全性については、特段の問題はありませんことを申し添えます。

  5. 前放射線技術部長の懲戒処分について
    本件に係る裁判の判決(確定)及び調査結果を踏まえ、前放射線技術部長を2023年9月8日付で懲戒解雇に処しました(ホームページ公表済み)。


2023年10月6日

国立研究開発法人 国立がん研究センター

理事長 中釜 斉

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