トップページ > グループ紹介 > 臨床腫瘍病理分野(柏) > 主な研究内容 > 胃がんオルガノイドを用いた抗がん剤耐性に関する検討

胃がんオルガノイドを用いた抗がん剤耐性に関する検討

オルガノイドとは、幹細胞を中心としたヘテロな細胞塊であり、3次元培養可能なモデルです。一般的な細胞株と比べて生体に近い特徴を保持しており、薬剤スクリーニング等において生体と同様の結果を得られやすく、疾患研究をするうえで有用な前臨床モデルとして確立されつつあります。癌における幹細胞は、転移、再発や治療抵抗性獲得の中心的な役割を果たしていると考えられています。

私達は、胃がん、大腸がんを中心に、オルガノイドを用いて消化管がんにおける薬剤耐性獲得機構の解析を行ってきました。5-FU、プラチナ製剤など代表的な抗がん剤に人為的に耐性を獲得させた胃がんオルガノイドを樹立し、遺伝子発現プロファイルを解析することで、抗がん剤耐性獲得に寄与する遺伝子を同定し、その機能やマーカーとしての有用性を明らかにしてきました。

私達の検討で同定された新規遺伝子は、幹細胞を中心とした細胞群における重要な役割を果たしていると考えられ、胃がんのがん幹細胞を標的とした治療や抗がん剤耐性の診断マーカーの確立に繋げるべく、現在も検討を進めています。

 sakamoto1.JPG