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病理AIの基盤となる、病理画像の標準化研究

がんは、病理組織を病理医が顕微鏡診断する事で確定されますが、AIの進歩はこの病理診断のあり方自体を変えてしまうかもしれません。今後の医療の中でAIがその力を十分に発揮するためには、標準化された情報をもとに開発されたAIによる病理診断支援技術(病理診断の完全標準化)が実現するかもしれません。このAI病理診断支援を適切に運用するためには、画像の標準化(画像の作成過程すべての工程の標準化)が不可欠であると考えられます。私達は、病理標本作製および取得画像の全自動化を通じて、まず画像の標準化を達成することを目標としています。これが達成された暁には、遠隔医療などの様々な可能性にもつながると考えています。

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A.I.による各種臓器の標本切り出しならびに病理標本作製支援技術作製のための体制整備【がん研究開発費(2021-A-7)】

現在、がん研究開発費を資金源として、病理画像の標準化に取り組んでいます。
マクロ画像に関してはキャノン株式会社、ミクロ画像に関してはサクラファインテックジャパン株式会社、株式会社オリンパスの研究協力のもと、まずは標準化に必要な項目についての検討、標準化することの意義について検証し、標準化画像のSOP作成を目指しています。ここで明らかになった標準化の意義や標準化項目についてはIC3R(The International Collaboration for Cancer Classification and Research)を通じて世界に発信することを目指しています。また、作成したSOPに関しては自施設だけでなく、山形県鶴岡市の荘内病院にて、このSOPのもとに標準画像が作製できるかの検証も行う予定です。