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~ナショナルセンターと民間企業との人材交流により研究開発分野におけるイノベーションの実現を目指す~

先端医療開発センター、クロスアポイントメント制度を活用し異業種との新たな連携モデルを始動
~ナショナルセンターと民間企業との人材交流により研究開発分野におけるイノベーションの実現を目指す~

2023年3月14日

国立がん研究センター先端医療開発センター(EPOC)は、クロスアポイントメント制度を活用し、研究開発分野におけるイノベーションの実現に向けた民間企業との新たな連携モデルを始動しました。

2023年2月1日から2年間、当センターゲノムトランスレーショナルリサーチ分野(柏)大橋 紹宏ユニット長がアステラス製薬株式会社に在籍出向し、同社の研究専門職の一つであるPrincipal Investigator(PI)として研究に従事します(業務従事割合:当センター60%、アステラス製薬株式会社40%)。

国立がん研究センター(NCC)から民間企業に在籍出向することはNCC初の取り組みで、クロスアポイントメント制度を活用した人事交流により、双方の研究活動における発展・イノベーションに繋がることを期待しています。

なおEPOCでの人選については、アステラス製薬株式会社での職務内容、求められる能力等を十分に考慮し、慎重な検討を重ね、同ユニット長に決定したものです。

 EPOCにおいては、これまで通り研究を進めることに並行して、民間企業におけるビジネスプロセスを学び経験を積むことで、出向者の研究能力向上を期待しています。また、その学びから新たな視点での研究が生まれることを期待しており、本協定をNCCの今後の研究における新たなイノベーションのきっかけの一つにしたいと考えています。さらに、研究者のキャリアパスの多様化を目指し、柔軟な人材育成を推進してまいります。

 アステラス製薬株式会社においては、出向者が有する創薬経験及びがん微小環境研究のノウハウを活用し、同社が重点的に研究開発投資を行っているイムノオンコロジーにおける基盤技術構築・強化、新規創薬ターゲット創出を目指しています。

 *クロスアポイントメント制度:研究者等が大学、公的研究機関、企業の中で、二つ以上の機関に雇用されつつ、一定の業務時間管理の下で、それぞれの機関における役割に応じて研究・開発及び教育に従事することを可能にする制度。

先端医療開発センター長 土井俊彦からのコメント

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テクノロジーベースの医薬品開発が急速に進んでいますが、従来型の開発ではなく、より早期の段階から基礎研究(アカデミア)-製薬企業・CDMO-臨床医(病院)の連携がキーとなっています。この新しいコラボレーションによって、国立がん研究センター先端医療開発センターの基盤的技術と知識が企業との融合で新しい創薬研究・開発を加速させることが期待されます。

*CDMO(Contract Development and Manufacturing Organization:医薬品開発製造受託機関):企業の委託を受け、医薬品製造のみならず開発まで代行する機関

問い合わせ先

国立研究開発法人国立がん研究センター先端医療開発センター
副センター長 土原一哉
電話番号:04-7133-1111(代)  Eメール:ktsuchih●east.ncc.go.jp