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【2025年癌学会の注目演題】第84回日本癌学会学術総会にて、EPOCのメンバーが座長・演者として登壇します!

2025年9月24日

第84回日本癌学会学術総会にて、EPOCのメンバーが座長・演者として登壇します。
本ページでは、その中から特に注目の演題をピックアップし、座長・演者からのコメントとともにご紹介します。
学会に参加される方はぜひご注目ください。

「人工タンパク質が切り開く革新的がん治療- 機能性改変技術と二重特異性抗体の新展開」
座長:安永 正浩(新薬開発分野 分野長)
演者:石原 純(共通研究開発分野 特任研究員)

日時

2025年9月25日(木曜日) 9時00分-11時30分

会場

第12会場(ANAクラウンプラザホテル金沢3F「鳳の間 中」)

登壇者(敬称略)

石原純・梅津光央・秋葉宏樹・浅野竜太郎・石黒敬弘

演者コメント

昨年もUS FDAが承認した腫瘍関連の薬は、タンパク質が半分を担っていて、二重特異性やADCなどさらに拡がりを見せています。
日本人の間でも活発に研究がされています。今回は現在創薬の主流の一つであるタンパク質工学の腫瘍への応用を研究されている先生方に発表してもらいます。AIの利用をしてタンパク医薬をデザインしたり、患者由来の腫瘍組織を上手く研究に使って創薬を行っている話を聞くことができます。とてもアイデアに溢れていて、先進的な取り組みの多いセッションになると思います!

  • 安永正浩の画像

    安永 正浩
    (新薬開発分野 分野長)

  • 石原純の画像

    石原 純
    (共通研究開発分野 特任研究員)

「空間的シングルセル解析の臨床実装:基礎研究から実臨床へ」
演者:山下 理宇(トランスレーショナルインフォマティクス分野 ユニット長)

日時

2025年9月25日(木曜日) 9時00分‐11時30分

会場

第10会場(金沢市アートホール 6F「アートホール」)

登壇者(敬称略)

Woong-Yang Park, Chung-Chau Hon, 山下理宇, SangHyuk Lee, Quan Nguyen

演者コメント

山下理宇の画像

山下 理宇
(トランスレーショナル
インフォマティクス分野
ユニット長)

シングルセル空間オミクスは、組織内の遺伝子発現を可視化できるが、標準化された手法は限られています。我々はSpatialKnifeY(SKNY)を開発し、がん細胞クラスターを抽出することで腫瘍境界を定義し、腫瘍内領域と腫瘍周辺領域を分類しました。乳がんデータに適用した結果、SKNYは9つのクラスターを同定し、DCISとIDCを区別し、系統的な関係を明らかにしました。また、空間オミクスデータから事前情報なしに生物学的な情報を抽出するアルゴリズムを構築し、遺伝子を距離・機能の類似性に基づく分類を行いました。これらの結果は、我々の開発した新規解析手法が、腫瘍の空間的構造と生物学に新たな知見をもたらすことを示しています。

「岡本肇記念シンポジウム 出口志向のアカデミア発創薬技術」
座長:土原 一哉(先端医療開発センター センター長)

日時

2025年9月25日(木曜日) 12時50分‐15時20分

会場

第1会場(石川県立音楽堂 2F「コンサートホール」)

登壇者(敬称略)

山本博・松村保広・玉田耕治・樫田俊一・内藤幹彦・石原純

座長コメント

土原一哉の画像

土原 一哉
(先端医療開発センター
センター長)

金沢で56年ぶりの開催!がん研究の歴史と未来が交差する特別な学術総会へ

岡本肇(おかもとはじめ)教授は、金沢大学がん研究所(現・金沢大学がん進展制御研究所)の初代所長であり、現在も臨床で使用されている免疫賦活性抗がん剤「OK-432(ピシバニール)」の開発者としても知られています。
今年の学術総会は、昭和44年に岡本教授が第28回学術総会を主宰して以来、実に56年ぶりの金沢開催となります。
近年、アカデミア発の創薬やオープンイノベーションへの関心が高まる中、岡本教授の功績を振り返りながら、産学連携やアカデミア発ベンチャーを通じて、細胞治療、タンパク質工学、RNA創薬など独自技術から新たながん治療を創出している研究者たちが存分に語ります。

「免疫逃避メカニズムの理解と新規治療戦略」
座長・演者:小山 正平(免疫TR分野 研究員)

日時

2025年9月26日(金曜日) 9時00分-11時30分

会場

第4会場 ホテル日航金沢4F「鶴の間 B」

登壇者(敬称略)

竹内理・Andrea Ablasser・西中村瞳・冨樫庸介・Elianne Piaggio・小山正平

座長・演者コメント

小山正平の画像

小山 正平
(免疫TR分野 研究員)

本シンポジウムでは、「がん免疫」を自然免疫と獲得免疫という二つの視点から、国内外の第一線で活躍する研究者が最新の知見を紹介します。前半の自然免疫パートでは、竹内先生がRNA分解を介した免疫応答制御、Ablasser先生が核酸認識シグナルの新展開、そして西中村先生が骨髄由来抑制細胞の視点から読み解く腫瘍微小環境(TME)におけるがん免疫回避メカニズムについて、最新の研究成果とともに解説します。後半の獲得免疫パートでは、冨樫先生が腫瘍とT細胞のミトコンドリアを介したクロストークという新たな視点を、Piaggio先生がTMEにおける制御性T細胞の多面的役割を紹介。最後に私から、腸内細菌によるTME修飾の機序について概説し、免疫治療の新たな可能性を探ります。

「小児AYAがん研究の最前線」
演者:横山 明彦(鶴岡連携研究拠点 チームリーダー)

日時

2025年9月26日(金曜日)12時50分-15時20分

会場

第3会場(ホテル日航金沢 4F「鶴の間 A」)

登壇者(敬称略)

三村 海渡、内原 嘉仁、横山 明彦、吉田 仁典、Ruben VanBoxtel、Sam Behjati

演者コメント

横山明彦の画像

横山 明彦
(鶴岡連携研究拠点
チームリーダー)

MLL遺伝子転座を持つ白血病は現行の治療法で治すのが難しいのが現状です。しかし近年MLL遺伝子変異が白血病を引き起こす分子メカニズムが明らかになり、その理解に基づく新たな治療法の開発が進んでいます。我々はMLL変異体タンパク質がMENINという共作用因子と結合することで発がん因子として機能することを見出してきました。その知見をもとに、MENINとMLLタンパク質の結合を阻害する分子標的薬が開発され、臨床応用されつつあります。本講演ではMENINの発見から新しい薬の開発に至る道のりを紹介します。

「抗原特異的免疫療法・がんワクチンと細胞療法」
座長・演者:中面 哲也(免疫療法開発分野 分野長)

日時

2025年9月27日(土曜日)9時00分-11時30分

会場

第4会場(ホテル日航金沢 4F「鶴の間 B」)

登壇者(敬称略)

本橋新一郎・籠谷勇紀・中面哲也・近藤泰介・北嶋俊輔

座長・演者コメント

中面哲也の画像

中面 哲也
(免疫療法開発分野 分野長)

本シンポジウム「抗原特異的免疫療法・がんワクチンと細胞療法」は、私も理事を務める日本がん免疫学会との合同シンポジウムです。5人の演者の発表により、新しい免疫細胞療法やがんワクチン療法が難治性がんを治癒できるかについて議論されます。私は3番目の演者として、我々が開発中の10種類の共通がん抗原を用いた新規がんmRNAワクチン療法について発表します。様々な固形がんの術後の微小残存病変(MRD)を消失させ、再発予防を実現する治療法になることを期待しています。マウス実験による抗腫瘍効果のPoCのデータをさらに充実させ、1年後にはスタートアップを起業して早期の臨床試験を目指します。

「核医学治療国内開発進行中」
座長:稲木 杏吏(機能診断開発分野 分野長)

日時

2025年9月27日(土曜日)12時50分-15時50分

会場

第2会場(石川県立音楽堂 2F「邦楽ホール」)

登壇者(敬称略)

渡部 直史、志賀 哲、吉井 幸恵、大島 宏之、羽場 宏光

座長コメント

稲木 杏吏の画像

稲木 杏吏
(機能診断開発分野 分野長)

標的放射性核種治療(TRT)は、診断と治療を一体化した「セラノスティクス」として注目を集めています。従来から存在する甲状腺癌等に対する治療に加え、前立腺癌、褐色細胞腫など多様な疾患を対象とした治療が開発され、近年、強力なα線を放出する核種であるアスタチン-211やアクチニウム-225など新規核種を用いた臨床試験が始まりつつあります。さらに、政府主導のもと、アスタチン-211やアクチニウム-225の国内製造の議論も進展しており、産官学連携による次世代治療基盤の確立が加速しています。本シンポジウムでは、こうした最新の研究成果と開発動向を紹介し、国内におけるTRT発展の展望を議論します。

第84回 日本癌学会学術総会 ポスターの画像

第84回 日本癌学会学術総会 ポスター