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連携大学院生インタビュー 丹羽真琳子

丹羽 真琳子 (にわ まりこ)

丹羽真琳子写真

外部研修生
NCC在籍期間 2019年10月~現在 (2021年3月時点)
大学の所属 東京理科大学・理学研究科化学専攻 (研究指導者, 教授 下仲基之 先生)
がん研究センター研究所の所属 がん分化制御解析分野
研究指導者 岡本康司 (分野長), 小幡裕希 (ユニット長)


研究所で実験するようになったきっかけ

国立がん研究センター研究所 (NCCRI) と東京理科大学との共同研究に、卒研生として参加することになったのがきっかけです。はじめは、大学の下仲研にて研究に取り組んでいましたが、研究をより発展させるため、任意研修生として出向の機会をいただくことができました。当初、技術習得を目的とした半年間の出向が予定されていましたが、大学との連携を強化しながら研究を継続的に発展させていきたいと考え、修士課程へ進学以降も、引き続きお世話になっています。

研究所での生活

大学での研究を経験した後にお世話になったので、はじめは、環境の違いに戸惑うことも多くありました。例えば、大学の研究室では、比較的手狭なスペースで学生同士和気藹々と研究を進めることが多かったのですが、こちらでは広々とした実験デスクを与えていただき、個人のペースで研究をおこなっていきます。実験装置も最先端のものが揃えられており、やりたい実験があればすぐにでも取り組める、研究面において非常に恵まれた環境だと感じています。また、学生ばかりの環境からプロの研究員の方々に囲まれた環境へと変化しましたが、非常に温かく迎えていただき、当初感じた不安はすぐに無くなって生活に馴染むことができました。研究についても、共通機器の使い方から細かい実験操作まで丁寧にご指導いただき、慣れない環境でもスムーズに研究を開始することができました。現在は、研究方針について親身に相談に乗っていただきながら、自分で立てた実験計画に沿って研究を進めています。

がん分化制御解析分野では、週一回の全体ミーティングがおこなわれます。研究進捗報告会とジャーナルクラブが毎週交互に開催され、大学とは異なる緊張感の中、多くのことを学ばせていただいています。また、個別ミーティングとして、小幡先生と連携大学院生の山脇さんと私の3人で、毎週進捗報告やディスカッションをおこなっていました (コロナ禍以降は、密を避けるため、メールで頻繁に情報交換をしています)。

大学の研究室との両立としては、下仲研のゼミに毎週土曜日に参加しています。後輩へ指導をおこなうため、下仲研に赴いて実験に取り組むこともあります。また、大学とNCCRIとの移動時間が30分と短いため、大学の授業にも無理なく出席していました。今年度は、コロナ禍のため、あいにく全て中止されていますが、昨年度は下仲研のOB・OG会などのイベントにも参加し、学生生活も楽しみながら研究生活を送っています。

研究所での実験に取り組んで良かったこと

研究に打ち込む上で非常に恵まれた環境だと感じています。多彩な共通機器など、実験をおこなうための環境が整っていることに加え、プロの研究員の方々に囲まれて多くの刺激を受けることができます。実験手技など直接ご指導いただける点はもちろん、日々の研究へ向かう姿勢など、研究者のお手本として見て学べる点も多くあります。

また、NCCRIと大学の両方の研究室に所属している身としては、両者の連携強化の一端を担えたことが特に良かったと考えています。大学で全合成が可能となったリード化合物の研究を進めるため、現在は私のみならず、東京理科大学の技術者の方が参画し、NCCRIにて前臨床実験が進行しています。さらに、下仲研の後輩も新たにNCCRIにて研究に取り組むことが決まりました。最適ながん医療の提供という共通の目的達成に向けて、本研究をNCCRIと大学で共に発展させていけることを嬉しく思います。それに加え、自分が教わった実験手技やデータの扱い方を下仲研のメンバーとも共有することで、大学での研究にも良い影響を与えられているのではないかと感じています。NCCRIと大学の研究室のどちらに対しても、お世話になった分を研究成果としてしっかり還元できるよう、今後とも精一杯取り組んでいきたいです。

がん研究センター研究所での研究を希望する学生の方々へ

学生の方々にとって、大学生活の集大成である研究室を選ぶことは非常に大きな決断になると思います。私自身、研究室を選ぶ際には大変悩んだのですが、NCCRIと大学の研究室との両方を経験させていただいた今では、どちらにも素敵なところがあると感じています。学生のうちからプロフェッショナルな研究員の方々に囲まれて最先端の設備が整った環境で研究に没頭できるのは、NCCRIならではのことだと感じます。また、現在私は就職活動をおこなっていますが、社会人の方々と共に研究に取り組んだ経験が活きているとひしひしと感じます。将来研究者を目指す学生さんにとってはもちろん、学生生活の最後に研究に思いっ切り打ち込みたい、その経験を将来の糧としたい学生さんにとってもNCCRIは魅力的な場所だと思います。学生の皆様がNCCRIにて研究に専念することを選ぶための一助となれば、幸いです。