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連携大学院生インタビュー 渡辺 智子

渡辺 智子

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東京医科歯科大学 NCC腫瘍医科学講座出身

現職 
国立がん研究センター中央病院遺伝子診療部門遺伝カウンセラー

NCC在籍期間 2016年から現在

指導者 河野 隆志
   (国立がん研究センター研究所 ゲノム生物学研究分野長)
    荒川 博文(東京医科歯科大学 NCC腫瘍医科学分野連携教授)  

研究所に来るきっかけ

研究所に来る前は、まだ遺伝カウンセラーとして働き始めたばかりでしたが、将来的には遺伝カウンセリングに役立つゲノム解析研究を行いたいと考えていました。学部時代の恩師に相談していたところ、遺伝医療に従事している基礎研究者の指導のもとで研究させてもらえるよう、河野先生をご紹介頂きました。当初からとても温かく迎えて頂き、嬉しかったことを覚えています。大学院入学前から研修生としてお世話になり、東京医科歯科大学の博士後期課程に進学し、連携大学院生として勉強させて頂きました。

研究所での生活

ゲノム生物学研究分野では、週に1回全体ミーティングが行われています。月に1回程度、研究進捗報告やジャーナル紹介が当番で回ってきて、ラボのメンバーと励ましあいながら研究を進めます。さらに、河野先生と週1回1時間程度ディスカッションできるという恵まれた環境の中、少しずつ研究が形になっていくプロセスを経験することができました。研究テーマは「若年性乳がんにおける相同組換え欠損の推定モデルの構築」として、全エクソーム解析データの臨床的意義付けに従事しました。最初のディスカッションでは、データ解析の際に着目するポイントを整理することからスタートしました。また、ラボの先輩を頼りながら先行研究から具体的に出力したいデータや方法等を把握し、エンジニアの方に依頼しながらデータを取得、得られた結果の解釈・臨床的意義付けのために議論を繰り返しながら追加解析などを実施していきました。周囲の力を借りながら、小さな目標を明確にして研究を進めていくことを学びました。

研究所でよかったこと

他の先輩方が記載していますが、解析機器などの実験設備が充実しています。周囲はプロの研究者ですが、気さくに接してくれます。研究室内だけでなくラボを超えて実験方法・解析方法を教えて頂き、研究を進めていくことができました。
連携教授の荒川先生は同じ研究棟にいますので、すぐに相談に行くことができます。学位審査に向けても、別の研究室所属の先輩から博士論文をみせていただくなど、多くのサポートが得られました。

後輩へのアドバイス

がんセンター・大学ともに連携大学院生へのサポート体制が充実しています。指導者のもと、少しずつ自分で考えて研究を進められるように訓練する貴重な機会となりますが、あまり進捗しないなど大変なこともあるかと思います。研究以外のことでも周囲の方々と色々な話しをすることでヒントが得られたり、励まされたりすると思います。

主要な論文(NCC在籍中)

Watanabe T et al., Simple prediction model for homologous recombination deficiency in breast cancers in adolescents and young adults. Breast Cancer Res Treat. 2020.