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松村 保広 Yasuhiro Matsumura, MD, PhD

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EPR効果を1986年に提唱し、抗体などの高分子蛋白は固形腫瘍に集積しやすいことを証明しました。現在の抗体開発の元となっています。EPR効果は世界的に抗がん剤・遺伝子デリバリーなどのDDSの基本的支柱となり、2016年トムソンロイター引用栄誉賞(現:クラリベイト・アナリティクス引用栄誉賞)化学賞を受賞しました。一連の抗体作製のなかで不溶性フィブリンのみを認識し、その前駆体や分解産物は認識しない抗不溶性フィブリン抗体の樹立に成功し、EPR効果だけでは不十分な間質が多い悪性度の高いがんには本抗体でがんの間質をターゲットとするCancer Stromal Targeting(CAST)療法を2011年に提唱しました。本抗体に関しては、欧米10以上の研究施設と共同研究を行っています。
また、新規の大腸がん特異膜蛋白分子を見出し、それらの抗体樹立に成功し、現在、体外・体内診断および抗体治療薬、抗体抗がん剤・アルファ線粒子複合体の開発に取り組んでいます。

職名

    • 国立がん研究センター 研究所 客員研究員
      (Visiting Scientist of National Cancer Center Research Institute)
    • 株式会社凛研究所 研究担当取締役

専門領域

      • 腫瘍学
      • 血液凝固学
      • 抗体科学
      • がん診断学

キーワード

      • 抗体
      • 血液凝固
      • CAST療法
      • DDS

現在の主な研究テーマ

      • がんによる血液凝固亢進機構の解明
      • がん間質ターゲティング(CAST)療法の開発
      • 抗体開発
      • active targetingとpassive targetingの融合
      • CAST療法と免疫チェックポイント阻害剤との併用療法

共同研究可能なテーマ

      • 抗体による体内・体外診断
      • 抗体による直接療法および抗体抗がん剤(アルファ線)複合体の開発
      • がんと血液凝固に関する研究

略歴

1981年

熊本大学医学部卒業

1981年

熊本大学医学部第1外科 研修医

1988年

熊本大学大学院医学研究科 修了

1988年

熊本大学医学部微生物学 助手

1989年

米国マウントサイナイメディカルセンター 腫瘍内科 ポストドクター

1990年

英国オックスフォード大学 病理 ポストドクトラルフェロー

1993年

同上 上級クリニカルサイエンティスト

1994年

国立がん研究センター中央病院第一外来部 医員

1999年

同上 特殊病棟部 医長

2002年

国立がん研究センター研究所支所 がん治療開発部 部長

2012年

国立がん研究センター東病院 臨床開発センター新薬開発センター新薬開発分野分野長

2016年

トムソンロイター引用栄誉賞(現:クラリベイト・アナリティクス引用栄誉賞)化学賞受賞

2018年

 

日本DDS学会理事長

関西医科大学 客員教授

2019年

小林がん学術賞受賞

2020年

 

国立がん研究センター 先端医療開発センター 新薬開発分野長 定年退職

国立がん研究センター 研究所 客員研究員

 

主な所属学会

      • 日本DDS学会(理事長)
      • 日本癌学会(評議員)
      • 日本癌治療学会(代議員)
      • American Association for Cancer Research
      • American Society of Clinical Oncology

主な論文

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