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研究の奥の細道2023年

12月12日 武蔵野大学薬学部の講義(東京)

武蔵野大学薬学部にて「今日のがん」と題する特別講義を行いました。自分の研究を一般の方にわかりやすく伝えるよい機会だと考えて2013年から始めた講義ですが、いつの間にか10年が経ちました。がんの研究はどのように予防、診断、治療に役立つのかを、歴史的背景から現在の成果や将来の展望まで網羅的に話しています。講義終了後には簡単な感想文をお願いしており、いつも楽しみにしています。講義の内容が彼ら・彼女らのこれからの学習生活によい影響を及ぼすことを願っています。100分の講義の後半は、野口玲先生が御自身の研究内容について講義をされました。

12月8日 第10回細胞凝集研究会(佐賀)

第10回細胞凝集研究会に出席しました。招待された研究者のみが参加できるというユニークな会で、細胞の立体培養を中心にいろいろな研究内容が発表されました。ヒトの疾患研究だけでなく、馬の再生医療や歯科分野での細胞立体培養の応用について、ふだんあまり聴講することのない演題を楽しみました。また、いつもながら懇親会は期待にたがわず充実したもので、さまざまな分野の研究者の方々そして企業の方とお話しできました。

12月6日 第46回日本分子生物学会年会(神戸)

第45回日本分子生物学会年会に参加しました。他の行事に挟まれて一日だけの参加でした。多くの参加者でにぎわう会場はコロナ禍前の盛況ぶりをすっかり取り戻した感がありました。やはり現地参加はいいですね。

12月4-5日 日本プロテオーム学会と日本臨床プロテオゲノミクス学会の合同年会下見(青森)

2024年6月26-28日に、日本プロテオーム学会と日本臨床プロテオゲノミクス学会の合同年会(「時空を超えた挑戦 ~The Challenge beyond Time and Space~」)を開催します。会場は青森市文化会館(リンクステーションホール青森)です。このたび現地を視察してきました。まずリンクステーションホール青森ですが、こちらは内装のデザインが素晴らしい立派な会場でした。当日は全館貸し切りとし、多くの方が発表できるように企画します。懇親会場となる近隣ホテルの会場は、よい意味で昭和の雰囲気が残る豪華な作りでした。青森の地元の楽曲演奏を予定しています。また、ねぶた祭の様子が展示された会場も見学しましたが、これが予想以上によくて、ワークショップと第2懇親会の会場として検討中です。
青森

11月20-22日 15th Annual Meeting of Proteomics Society, India 2023(New Delhi, India)

International Conference on Integrated Proteomics: Applications in Food, Nutrition and Healthにて「Patient-derived cancer model for pharmaco-proteogenomics to overcome the limits of cancer genome medicine」と題するKeynote lectureをしてきました。本学術集会はインドプロテオーム学会の年会でしたが、国際学会ということで、米国、オーストラリア、イギリス、スイス、台湾、日本などいろいろな国から研究者が招待されていました。ユビキチンプロテオミクスや結核悪液質の研究そしてプロテオゲノミクスなど自分の研究に関係するテーマの研究者の方々と親交を深めることができました。学会終了後はNational Institute of Plant Genome Researchの方々に案内され名所を回ってきました。タージマハールなど美しい歴史的建造物や昔ながらのダウンタウン、そして香辛料の効いたインド料理を堪能しました。これからも機会をみつけてインドの学会に参加したいと思いました。
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10月24-26日 日本患者由来がんモデル学会・学術集会2023(東京)

日本患者由来がんモデル学会学術集会2023を開催しました。患者由来がんモデルは新しい仮説や抗がん剤を試すために必須のツールです。モデル系の開発や応用に興味のある研究者、臨床医の方々の間で最新の情報や課題を共有し語り合うために本会を企画しました。今回は久々の現地開催でどれくらいの方が参加されるか一抹の不安はありましたが、登録者数は270名に登り盛況な会になりました。学術集会が学際的なものになるように意識して企画し、研究者、臨床医のみならず、患者会の方にもご登壇いただきました。懇親会は朝日新聞社ビルのレストランアラスカで開催し、こちらもたいへん盛況な会となりました。本会をきっかけに研究者同士の交流が促進され、新しいアイデアや共同研究生まれることを願っています。来年は8月21~23日に日本ヒト細胞学会と合同で学術集会を開催します。本会がますます盛況になり、多くの方の研究の推進に役立つよう、鋭意準備を進める所存です。
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10月19-21日 第61回日本癌治療学会学術集会(横浜)

第61回日本癌治療学会学術集会に参加しました。特別企画シンポジウム「ゲノムを超えろ!生きた癌細胞を使った未来のプレシジョンメディシン」にて、「希少がん研究のための患者由来がんモデルの樹立と応用」と題する講演を行いました。ゲノムから予測されるプロテオーム像は、質量分析で調べてみるとずいぶん違っていることをお話しし、分子腫瘍マーカーの限界、抗がん剤の感受性試験における患者由来がんモデルの役割、希少がん研究の悪循環~好循環、そしてpharmaco-proteogenomicの知見について御紹介しました。本学会はいろいろな楽しい企画があり、非会員なのですが、来年も参加してみようと思いました。

9月23-25日 第82回日本癌学会学術集会(横浜)

第82回日本癌学会学術集会に参加しました。近藤ラボからは2名が口頭、3名がポスターで発表しました。学術集会としては新しい企画が多く、展示ブースも多く、盛況でした。ふだん接することのない分野の話を聞いていると、いろいろなアイデアがつながっていきます。評議員の懇親会では多くの方と旧交を温めることができ、楽しいひと時でした。ICPC Conferenceから移動を含めて9日間・連続3回の出張がようやく終了しました。日本癌学会学術集会は、2024年は福岡での開催です。

9月19-23日 22nd Human Proteome Organization World Congress(釜山、韓国)

22rd Human Proteome Organization World Congressに参加しました。前日のICPC Conference(ソウル)から会場の釜山までは新幹線で約3時間の移動でした。近藤ラボからは5名がポスター発表をし、野口先生がPoster Presentation Awardを受賞しました。また、HUPO Travel Awardを安達先生が受賞です。会期中は、理事会、座長、論文コンペの審査など、忙しく過ごしました。来年のHUPOはドレスデン(ドイツ)で開催の予定です。来年も学会賞を目指してがんばりましょう。
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HUPOでの模様。早朝から夜更けまで、忙しい学会でした。

9月18日 International Cancer Proteome Consortium (ICPC) Conference(ソウル、韓国)

ICPC Conferenceに参加し日本のプロテオーム解析を紹介してきました。National Cancer Center Koreaでの開催でした。日本からは9名が参加しました。
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ICPC参加者の全員集合写真。日本の国旗が目立ちます。
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NCC-J集合写真。今年から足達先生が加わりパワーアップです。

9月1日 日本組織培養学会第95回大会

日本組織培養学会第95回大会に参加し「希少がん・肉腫の患者由来がんモデルの樹立と応用:基礎研究および治療開発への応用」と題するシンポジウム講演をしました。岡山大学鹿田キャンパスでの開催ということで久々に母校を訪れました。新しい建物やきれいな喫茶ができつつも、講義棟や道場など古い建物も一部残っており、懐かしい感じでした。
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正門前で記念写真。

8月26-27日 第41回日本ヒト細胞学会学術集会

第41回日本ヒト細胞学会学術集会に参加しました。近藤ラボからは、野口玲、小野拓也、そして栃木県立がんセンターに昨年移られた吉松有紀先生が発表されました。投票の結果、優秀発表賞を野口、吉松先生の両名が受賞されました。おめでとうございます。来年の本学会の学術集会は、日本患者由来がんモデル学会との合同で私が大会長を務めます。大勢の方々の御参加お待ちしています。
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学会懇親会で集合写真。オンサイトの学会では懇親会が重要です(大会長談)。

7月24-26日 日本プロテオーム学会年会に参加

日本プロテオーム学会の2023年度年会に参加しました。久しぶりの現地開催でした。私は「International Proteome Session」と題するシンポジウムをオーガナイズし、韓国、ドイツ、アメリカの研究者を招待しました。悪性脳腫瘍や肝内胆管癌のプロテオミクスからバイオバンク試料の利活用そして抗体・核酸抗体を使った研究まで、幅広い内容のセッションでした。

講演1
Proteogenomic analysis of longitudinal trajectory of glioblastoma
Jong Bae Park, National Cancer Center, Korea

講演2
Going deep ­ complementing mass spectrometry-based methods with affinity probing to enrich plasma proteome coverage
Stefanie M Hauck, Helmholtz Center, Germany

講演3
Proteogenomic Approaches: Unveiling Cholangiocarcinoma Subtypes and Discovering Therapeutic Targets
Jin Young Kim, Korea Basic Science Institute, Korea

講演4
Innovative proteomics technology with high multiplexing, high throughput, and high sensitivity
Tala Khosroheida, SomaLogic, Inc., USA

懇親会では新潟のお酒を中心に会話がはずみ楽しいひと時を過ごしました。鏡開きから始まり50種類の新潟の日本酒が飲み放題、という、お酒好きにはたまらない会でした。

講演内容としては、臨床的な課題に挑戦する内容の発表が増えている印象でした。ペプチドの構造・発現の解析だけでなく、全長タンパク質の違いを解析する方向の研究も増えていました。病態や創薬に関わる研究が増えつつある一方で、一昔前に比べるとMD研究者が激減しているのが気がかりです。

来年の年会は日本臨床プロテオゲノミクス学会との合同年会です。日本プロテオーム学会側の大会長は私、日本臨床プロテオゲノミクス学会側の大会長は野口玲先生が担当します。青森市民文化会館にて2024年6月26-28日に開催します。ぜひご参加ください。
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7月8日 横尾英樹先生 教授ご就任おめでとうございます

2002年から2年間ほど近藤ラボで研究に参加された横尾英樹先生がこのたび旭川医科大学外科学講座(肝胆膵・移植外科学分野/消化管外科学分野)で教授に就任され、その就任祝賀会に出席してきました。横尾先生は長年にわたり肝胆膵領域の悪性腫瘍をご専門にしておられます。近藤ラボ在籍時は肝細胞癌のプロテオーム解析を行われ、研究成果をHepatology誌、Cancer Science誌などで発表されました。その内容は世界的に高く評価され、第3回Human Proteome Organization年会(北京)ではポスター賞を受賞されました。昨年より横尾先生の医局から近藤ラボに安達雄輝先生が派遣されています。横尾先生のあとを継いで素晴らしい成果を得られることを願っています。
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5月18-20日 第74回日本電気泳動学会学術大会

第74回日本電気泳動学会学術大会を石垣市民会館で開催しました。遠方の地での開催でしたが、多数の方に御参加いただき盛況な会となりました。情報交換会ではさまざまな分野の方の間で活発な意見交換が行われ、共同研究や人事交流の話しがでるなど親睦を深めることができました。学会の合間にはエクスカーションを楽しまれた方もおられるようで、開催地についてもたいへん好評でした。皆様の記憶に残る会であることを願っています。
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5月8-10日 11th Asia-Oceania Human Proteome Organization(シンガポール)

11th Asia Oceania Human Proteome Organization (AOHUPO)に参加しました。私はDisease Proteomics Iの座長と演者を務め、「Patient-derived cancer model for pharmaco-proteogenomics to overcome the limits of cancer genome medicine」と題する講演をしてきました。AOHUPOは2006年にもシンガポールで開催され、そのときは「Toward comprehensive expression proteomics for cancer research」と題する講演をしていました。当時を振り返ると、思えば遠くへ来たものだと思います。
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3月26-29日 現地視察 第74回日本電気泳動学会学術大会

第74回日本電気泳動学会学術大会を石垣市民会館で開催します。リフレッシュ休暇をかねて、開催地の視察に行ってきました。石垣市民会館は、建築家・前川國男の最後の作品です。前川國男はル・コルビュジエの影響を受けた作風で知られるだけあり、石垣市民会館はヨーロッパ風の巧微精確で壮麗な雰囲気の建物でした。開催会場のほか情報交換会の会場をいくつか下見し、宿泊やエクスカーションの様子も調べてきました。第74回日本電気泳動学会学術大会は、会員でなくても参加できます。ご興味のある方は、ぜひご参加ください。

3月24日 第5回北関東・福島がん免疫療法セミナー

第5回北関東・福島免疫療法セミナーにて「プロテオーム解析によるバイオマーカーの開発:免疫療法への応用」という演題で講演をしました。免疫療法の奏効性や抵抗性などを予測するバイオマーカーの開発に適したプロテオーム解析の手法を概説しました。20年前に分子標的薬が普及し始めたころに比べ、バイオマーカー開発のための実験技術は格段に進歩し、研究開発の環境も変化しました。今の時代のプロテオーム解析としては何をするべきなのか、関係者の方々と話し合いを続けていきたいと思います。

3月16日 第20回北里プロテオーム研究会

第20回北里プロテオーム研究会にて「現代のがん研究:がんゲノム医療の限界を克服するために」という演題で講演をしました。疾患研究のオリジナリティーやバイオマーカーの開発についてお話しました。ハイブリッドの研究会で聴衆の多くはオンラインでしたが、講演者の方々と意見交換する機会が設けられ楽しい時間を過ごしました。

2月24-25日 日本サルコーマ治療研究学会(神戸)

第6回日本サルコーマ治療研究学会学術集会に参加しました。一日目の午前中、選挙管理委員会に続いて理事会に出席し、午後からシンポジウム1「骨軟部肉腫のモデル化による病態解析と創薬研究」を担当しました。私は「がんゲノム医療の時代の患者由来肉腫モデル」と題する講演を行い、次世代の人材育成のための教育と国際共同研究の構想についてお話ししました。本学術集会は3年ぶりの現地開催だったので、しばらくご無沙汰していた方々に会場でお会いし旧交を温めることができました。来年は名古屋で開催とのことです。

1月21日 日本プロテオーム学会理事会(富山)

日本プロテオーム学会の理事会に出席してきました。本学会はHUPOやAOHUPOなど海外の関連学会とのつながりを重視しており、若手研究者の育成にも力を入れています。今回は3日間の日程で編集会議や論文作成セミナーが開催され、平行して理事会が開催されました。近藤ラボからは小野拓也氏が論文作成セミナーに参加しました。夜は富山のおいしいお寿司とお酒を楽しみました。2024年大会は近藤ラボが担当します。盛況な会になるよう、準備を始めています。

1月17日 武蔵野大学薬学部の講義

武蔵野大学薬学部にて、「今日のがん」と題する特別講義を行いました。1年生が対象ということで、一般の方にもわかりやすい内容を心掛けました。予想以上にたくさんの質問をいただき、がんへの高い関心が伺われました。薬学部で学ぶ多くの科目は一見ばらばらに見えても学年が進むにつれにてお互いにつながってくること、差別化できる得意分野を複数できれば4つ以上もつと仕事が自由自在に楽しくなること、などお話ししました。後半は、近藤ラボの大崎珠理亜先生が歯科医師の立場から研究や医療について講義をされました。