トップページ > 研究組織一覧 > 分野・独立ユニットグループ > 希少がん研究分野 > 研究室紹介 > 共同研究の紹介

共同研究の紹介

 国立がん研究センターとチャールスリバー社
 患者由来がんモデルに関する共同研究契約を締結 

2019年2月14日
国立研究開発法人国立がん研究センター
Charles River Laboratories, Inc.

 

国立研究開発法人国立がん研究センター(所在地:東京都中央区、理事長:中釜斉、以下「国立がん研究センター」)とCharles River Laboratoriesは、この度、希少がんおよび希少な臨床像・分子病理像を有する悪性腫瘍を対象として、患者由来がんモデルの樹立とその基礎研究および前臨床試験への応用に関する共同研究契約を締結しました。

患者由来がんモデルは、基礎研究や治療法の開発において必須のツールであり、半世紀以上にわたり世界的に使用されてきました。遺伝子やタンパク質の機能を調べたり、化合物の抗腫瘍効果を調べたりする場合、腫瘍組織を移植した実験動物や腫瘍組織に由来する細胞株を用います。さまざまな悪性腫瘍について患者由来がんモデルが樹立されてきましたが、希少ながんについては有用な患者由来がんモデルが入手できないことがほとんであり、そのために新しい治療法の開発が滞っています。

希少がんの患者由来がんモデルの樹立は、国立がん研究センター研究所希少がん研究分野(分野長:近藤格)が国立がん研究センターがん研究開発費(26-A-9)の支援を受け、2014年から開始しました。現在、肉腫を中心に、卵巣癌からなどからも患者由来がんモデルを樹立しています。そして、樹立したモデルを使って、適応拡大のための既存抗がん剤のスクリーニングや疾患の分子背景を研究しています。また、動物モデルや細胞株を、国内外の研究者や製薬企業に提供してきました。

今後、国立がん研究センターでは、希少がんおよび希少なフラクションの腫瘍を対象として、腫瘍組織をCharles River Laboratoriesに送付し、同社にて患者由来がんモデルを樹立し網羅的な解析を行います。そして、国立がん研究センターは樹立した患者由来がんモデルを用いた基礎研究を行います。また、日本チャールス・リバー株式会社筑波研究所を含むCharles River Laboratoriesは樹立した患者由来がんモデルを用いて、新しい抗がん剤などの薬効評価試験を受託解析として行います。

本共同研究によって、国立がん研究センターとCharles River Laboratoriesは力を合わせ、がんの患者さんや医療従事者そして後の世代の方々から、あの研究があってよかったと思っていただけるような研究成果を目指します。

                                                                                                                            
                                                                                                                       以上 

本件に関するお問い合わせ先

    国立研究開発法人 国立がん研究センター
    企画戦略局 広報企画室
    電話番号:03-3542-2511(代表)
    ファクス番号:03-3542-2545
    Eメール:ncc-adminncc.go.jp