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後腹膜腫瘍(こうふくまくしゅよう)

  1. 後腹膜腫瘍
  2. 症状
  3. 診断
  4. 治療について

後腹膜腫瘍

腹膜は腹部の消化管や肝臓などを全部または一部包み込んでいる膜で、その腹膜よりも背中側にある臓器は「後腹膜臓器」と呼ばれます。腎(じん)臓や尿管・膀胱といった泌尿器科が扱う臓器が多数あるほか、一部の消化管や腹部大動脈・下大静脈といった大血管なども存在します。
後腹膜腫瘍はこの後腹膜領域に発生した腫瘍の総称です。基本的には非上皮性細胞(脂肪、筋肉、血管、リンパ管、骨、神経など)に発生する腫瘍が多いとされます。
比較的に稀な疾患で、年間の新規発症者数は10万に1人程度です。この中には悪性のもの(脂肪肉腫、平滑筋肉腫、悪性リンパ腫など)と良性のもの(神経鞘腫、血管腫など)があります。比較的頻度が高い疾患は、肉腫(サルコーマ)、悪性リンパ腫などが挙げられます。その中でも肉腫(サルコーマ)は一般的に、筋肉、脂肪、骨や神経といった組織から発生する悪性腫瘍で手や足に発症する頻度が多い疾患ですが、後腹膜にも発生することが知られています。一方、炎症性疾患(IgG4関連疾患など)が発生することもあります。後腹膜には様々な腫瘍が発生するため疾患によって担当する診療科が異なります。肉腫は当科が、悪性リンパ腫は血液腫瘍科が主に診療にあたります。

後腹膜の図

症状

初期には症状はほとんどありません。腫瘍が大きくなると他の臓器を圧迫するため、腹部膨満や腹痛、吐き気、便秘、排尿障害などの症状をきたします。症状がある状況で発見された腫瘍は、時に腹部の中の半分以上を占める大きさまで巨大化していることもあります。
また、他の疾患で施行した画像検査(腹部超音波検査やCTなど)で偶発的に発見されることもあります。

後腹膜腫瘍

診断

血液検査(腫瘍マーカーを含む)や一般的な画像検査(腹部超音波検査やCT・MRIなど)に加えて特殊な画像検査(PET-CTやシンチグラフィなど)の結果を総合的に見て診断します。当科での血液検査・画像検査で診断がつかない場合には、放射線科に依頼してCTガイド下針生検による病理組織学的検査を行うこともあります。CTガイド下針生検はCTを撮りながら腫瘍を正確に穿刺する方法で、精度の高い生検が可能です。しかしながらそれでも診断がつかないこともあり、実際に手術で腫瘍を摘出してから病理組織学的検査で確定診断となることもあります。

治療について

腫瘍の種類によって担当診療科に分かれて治療方法が決定されます。
当科では主に肉腫(脂肪肉腫や平滑筋肉腫など)の外科的治療を担当します。転移を認めない肉腫は外科手術の適応となります。腫瘍の周囲臓器浸潤が認められることもあり、消化管に癒着・浸潤している場合には大腸外科、肝臓(右側)や膵臓(左側)に癒着・浸潤している場合には肝胆膵外科との合同手術が必要で、状況に応じて周囲臓器の合併切除を行います。各部位のスペシャリストが協力して、根治を目指します。転移をきたした状態であった場合は腫瘍内科で薬物療法の適応を決定します。
また、血液検査の腫瘍マーカーやCTガイド下生検で悪性リンパ腫と診断された場合は、血液腫瘍科での治療となりますので、その橋渡し役が、当科の役割です。希少疾患であるため、腫瘍内科・病理・放射線科と定期的なカンファランスを行い、情報共有と研究を通して、治療成績の向上を目指しております。

更新日:2021年6月7日