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大規模ゲノムデータから発がん要因を紐解く

近年、職業性胆管がんの集団発生が明るみになり、社会問題ともなりました。疫学的調査の結果、高濃度の化学物質曝露による発がんが示唆されましたが、その機序は未だ不明です。我々は職業性胆管がん手術検体の網羅的ゲノム解析を行い、体細胞変異が高頻度に起きていることと、特徴的な変異パターンを見出しました。このことは職業性胆管がん症例が共通の強い変異原性物質に曝露されていたことを示しています。このように、共通の発がん過程が、がんゲノムに共通の表現型を残していることを示し、網羅的ゲノム解析が、環境発がん原因の探索に有用であることがわかりました。さらに、発がんメカニズムを予測する手がかりにもなり得ると考え解析を進めています。

(図)職業性胆管がんに特異的な変異パターンの発見と発がん過程の予測