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研究プロジェクト

がん検診アセスメント

がん検診ガイドラインの作成と研究

国内外のがん検診の有効性評価研究をレビューして、がん検診ガイドラインを作成しています。科学的に信頼できる医学研究を基に、日本の対策型検診として実施すべき検査方法に「推奨」をつけてまとめたものが「がん検診ガイドライン」です。

これまでに胃がん、大腸がん、肺がん、子宮頸がん、前立腺がん、乳がん検診ガイドラインを作成し、公開しています。

ガイドラインの「推奨」は、医療資源等の日本国内の事情も配慮しつつ、多くの有効性評価研究の結果を統合し、不利益との対比を元に最終決定されます。検診研究部は日本国内のがん検診の有効性評価研究にも参加し、最新の研究成果をガイドラインに反映させて、より信頼されるガイドライン作成を進めていきます。さらに、これらの活動を研究論文や報告書として発表しています。

がん検診の有効性評価に関する研究

新しい検査方法を、健常者を対象としたがん検診に導入するためには、がん死亡率減少を指標とした有効性を評価する研究が必要です。健康面に問題のない数万人の方々を新しい検査方法によるがん検診を受ける群と受けない群に分けて、長期間にわたって両グループのがん死亡率を比較します。

検診研究部はこのような大規模評価研究の事務局となり、多くの大学・研究機関や自治体と協働して、国内のがん検診の有効性評価研究を推進しています。

現在進行中の研究

以下すべて国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)「革新的がん医療実用化研究事業」 に採択されています。

  • 子宮頸がん検診における細胞診とHPV検査併用の有用性に関する研究 (研究代表者 青木 大輔)
  • 対策型検診を目指した大腸内視鏡検診の有効性評価のためのランダム化比較試験 (研究代表者 工藤 進英)
  • 低線量CTによる肺がん検診の実用化を目指した無作為化比較試験研究 (研究代表者 佐川 元保)

がん検診マネジメント

がん検診の精度管理に関する研究

有効性が示され、国の指針で推奨されたがん検診であっても利益だけではなく不利益が生じます。精度管理を適切に行うことで、利益を最大化し不利益を最小化することが可能となります。がん検診のプログラムのいずれにおいても精度管理体制を整備し評価するためのツールを開発し、検診の質の均てん化をはかるための研究を行っています。

コロナウイルス感染症とがん検診およびがん医療に関する研究

新型コロナウイルス感染症により、がん検診やがん医療が影響を受けています。これらのデータを収集し、対応を検討するための基礎資料を作成すること、また適切な医療提供体制の構築のため、これらを多角的に分析・評価し実行可能性のある方法を検討しています。

その他/がん検診の普及・実装研究

 職域検診における自己採取子宮膣部細胞診実施状況の調査

 わが国での職域検診は受診率が高いものの、有効性や精度検証が行われていない検査法が様々用いられていることが課題となっていました。「有効性評価に基づく子宮頸がん検診ガイドライン」(2009年版)で精度の問題が指摘された自己採取子宮頸部細胞診 (以下自己採取法) が職域検診において現在も実施されています。

この研究は、職域検診の実施主体である健康保険組合 (健保組合) の責任者に個別インタビュー調査を行い、自己採取法を継続している要因を明らかにします。さらにインタビュー調査結果を基に作成したアンケートを使って、全国の健保組合を対象に自己採取法の実施状況や自己採取法を使用する理由を調べます。この研究成果は、将来的に医師採取細胞診やHPV (Human Papilloma Virus) 検査への移行を促す介入プログラム開発に繋がる可能性があります。

子宮頸がん検診未受診者に対する自己採取HPV検査の行動変容効果についての研究
~職域検診における社会実装研究

自己採取HPV検査はこれまでの医師採取細胞診検査による子宮頸がん検診の未受診者対策として期待されていますが、陽性者が検診(医療機関)を受診するかは明らかではありません。職場のがん検診で直近2年間に子宮がん検診を受診していない女性にキットを用いた自己採取HPV検査を行っていただき、検査結果や子宮頸がんについての情報提供を、アプリを通してお知らせすることで子宮がん検診受診につながるかを調査し、検診未受診者への対策として適切かどうかを検討しています。