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パラガングリオーマ(ぱらがんぐりおーま)

更新日 : 2023年10月24日

公開日:2018年5月18日
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パラガングリオーマについて

パラガングリオーマは、頭蓋底・頸部・胸部・膀胱付近などの傍神経節に発生する腫瘍です。パラガングリオーマは、ホルモンを産生することがあります。交感神経(自律神経の一種)由来のパラガングリオーマは、交感神経に働きかけるホルモンの一種であるカテコラミン(アドレナリン、ノルアドレナリンなど)を過剰産生していることが一般的で、副交感神経由来の場合はホルモンを産生しない腫瘍のことが多いです。副腎外に病変のあるパラガングリオーマに対して、副腎から発生しカテコラミンを過剰分泌する腫瘍は褐色細胞腫と呼ばれます。2009年時点の国内調査では、広義の褐色細胞腫(副腎外も含む)が報告されており、これをもとに、病変が副腎外に位置した患者の割合から、パラガングリオーマの年間患者数が推定できます。この国内調査に基づく広義の褐色細胞腫(副腎外も含む)年間推定患者約3000人中で、パラガングリオーマに該当すると考えられる患者数は、浸潤傾向のない腫瘍が408人(13.6%)、悪性度の高い、局所浸潤傾向を有する又はほかの内臓への転移を伴うような症例が1143人(38.1%)をであったとのことでした。

症状について

腫瘍の位置する場所に応じた症状(耳鳴り、神経異常など)をきたすことがあります。腫瘍がカテコラミン産生性の場合、高血圧や頭痛、動悸、発汗、不安感、便秘などの症状を呈することがあります。

検査について

頭蓋底・頸部・胸部・膀胱付近などの傍神経節に腫瘍を認めた場合、腫瘍がカテコラミンを産生しているかどうか評価するため、カテコラミンおよびその代謝物を尿中・血中で測定します。また、腫瘍の位置や広がりを確認するためにCTや、MRI検査、123I-MIBGシンチグラフィー、FDG-PET-CT、オクトレオチドシンチグラフィーなどを行います。手術での病理所見も診断に有用です。

遺伝について

パラガングリオーマは、発症した原因の約40~50%が遺伝によるもの(家族性腫瘍)と報告されています。SDHA・SDHB・SDHC・SDHD・MAXなどがパラガングリオーマと関係した遺伝子の変化として明らかになっています。遺伝子の変化がみつかることで、フォローアップの方針検討や血縁者の発症リスク特定に役立つことがあります。しかし、この遺伝子の変化の同定によりご家族への遺伝の可能性など、考慮するべき点が増える可能性があり、遺伝子検査の前後にはその結果わかることと懸念事項について、十分な遺伝カウンセリングを受けることを推奨します。

治療について

治療には、腫瘍そのものに対する治療と、カテコラミン過剰症状に対する治療の2つがあります。

腫瘍そのものに対する治療の第一選択は手術での腫瘍摘出です。

カテコラミン分泌性腫瘍の場合は、手術には血圧や体液量管理が重要であり、降圧剤(α遮断薬)、補液の投与など全身管理を慎重に行います。手術後は、術後再発のチェックのために、定期的な画像検査や採血などを行います。

手術で切除困難なケースや、ほかの内臓に病巣を認めたり、術後に再発をきたした際は、抗がん剤治療を行うことがあります。抗がん剤治療の内容としては、CVD療法(シクロフォスファミド、ビンクリスチン、ダカルバジン)の治療成績が最も多く報告されています。CVD療法により、約半数の症例で腫瘍の縮小を認めると報告されており、症状改善など、短中期的にQOL改善に繋がる可能性はありますが、効果に関したデータは乏しく、主治医の先生とよく相談して治療法を決めることが大切です。

希少がんリーフレット

パラガングリオーマ

執筆協力者

小島 勇貴(こじま ゆうき)
  • 小島 勇貴(こじま ゆうき)
  • 国立がん研究センター中央病院
  • 腫瘍内科 
下井 辰徳(しもい たつのり)
  • 下井 辰徳(しもい たつのり)
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  • 国立がん研究センター中央病院
  • 腫瘍内科
須藤 一起(すどう かずき)
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  • 腫瘍内科 先端医療科
米盛 勧(よねもり かん)
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