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キーワード:免疫チェックポイント阻害剤 がん免疫併用療法自然免疫応答を活性化する薬剤の抵抗性機序を解明

更新日 : 2025年12月22日

自然免疫応答を活性化する薬剤の抵抗性機序を解明バナー

免疫チェックポイント阻害剤(ICI) はがん治療で重要な役割を果たすようになりました。
しかし、未だ治療効果が認められない場合もあり、新たな治療法開発が望まれています。
自然免疫応答を活性化する製剤(自然免疫応答賦活化剤)を併用することでICI 抵抗性の克服に期待がもたれてきましたが、臨床応用には至っていませんでした。
本研究では、様々ながん細胞株を用いた前臨床動物モデルによりヒトの炎症がん、非炎症がんを再現し、自然免疫応答賦活化剤の有用性を検討しました。
ICI が奏功しない非炎症がんへ自然免疫応答賦活化剤を併用すると、期待に反して多形核骨髄由来免疫抑制細胞 (PMN-MDSCs) ががん組織で増加することにより併用療法が奏功しないことを解明しました。
新たに確立した前臨床マウスモデルの体系化によってどの種類のがんで本抵抗機序が作動するのかを明らかにし、抵抗性の解除にはPMN-MDSCs の遊走を阻害する追加の治療が重要であることを解明しました。
さらに、前臨床マウスモデルのデータを基に臨床応用に向けたバイオマーカーを同定し、標的がんの層別化に繋げました。
今後は薬剤の最適化をさらに進めて治療対象となるがんを適切に選択することにより、新規のがん免疫併用療法の開発への展開が期待されます。

図1

研究者について

腫瘍免疫研究分野 分野長 西川 博嘉

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キーワード

免疫チェックポイント阻害剤、がん免疫併用療法、自然免疫応答