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OUR RESEARCH FOCUS

2023年度 研究概要

2023年度版の研究概要を、日本語バージョン・英語バージョンでご用意しました。
世界トップレベルのがん研究がここに集います。
日本語(PDF:8.9MB)  English(PDF:8.8MB)

OUR RESEARCH FOCUS

国立がん研究センター研究所ではどのような研究を行っていて、その研究がどのように役立っているのかを、研究者自ら発信するコラムです。

J-PDXライブラリーを用いた日本から創薬開発の加速

医薬品の開発成功率は全体で約10%程度、中でも抗がん薬は約5%と報告されています。
分子薬理研究分野の柳下研究員は、患者さんが少なく臨床試験が困難ながんでも、J-PDXライブラリーで効果のある抗がん薬を篩い分けできる可能性を見出しました。
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非喫煙者肺がんのリスクに関わる遺伝子の個人差を同定

肺がんの中でも最も頻度が高く、増加傾向にあるのが肺腺がんです。肺腺がんの発生は、喫煙との関連がそれほど強くなく、約半数を非喫煙者が占めます。そのため、罹患危険群の把握や発症予防は容易ではありません。
ゲノム生物学研究分野白石ユニット長は、日本人を含むアジア人の肺腺がん患者約2万例のゲノム解析を用いて、肺腺がんの新たな遺伝子変異の探索を行っています。
最近発表した2本のプレスリリースから、肺腺がんの最新情報を解説してもらいます。

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世界最大の胃がんゲノム解析による成果

日本における罹患者数と死亡数がともに3位である胃がん。
がんゲノミクス研究分野の柴田分野長は、国際的に実施した大規模なゲノム解析から胃がんの発生や予防につながる発見をしました。胃がんはどんな体質の方に発症しやすいのでしょうか?お酒をよく飲む方必見の内容です。

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リキッドバイオプシーを用いたトランスレーショナル研究で新薬開発を加速させる

手術後体内から取り出した生検検体でがんの検査をする…そんながんの検査が近い未来変わるかもしれません。
がんの検査においてはより低侵襲な方法が求められています。
細胞情報学分野の高阪分野長は血液等の体液を用いたリキッドバイオプシーの研究を進めています。リキッドバイオプシーとは?がんゲノム医療が拡がる現代においてどんな活用方法があるの?そんな疑問に高阪分野長が答えます。

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サイレント変異から発がん遺伝子RASの弱点発見

日本で年間7万人以上が肺がんで亡くなられています。日本人肺腺がんの半数にEGFR遺伝子変異があり、このタイプにはEGFR阻害剤が効きますが、1-2年で耐性を獲得して効かなくなることが問題です。これまでEGFR変異肺がんの薬剤耐性について研究をしてきた中で、CRISPRゲノム編集技術を応用してがん細胞が元々持っているDNAを直接編集した細胞モデルを構築することで得られた2つの研究成果を分子病理分野の小林研究員が報告してくれます。

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自律的な知識獲得基盤の実装に向けて

ゲノム医療を進める上で、患者さんの疾患関連のゲノム変異をデータベース化することは非常に重要です。
がんゲノム医療の基盤となるデータの整備の基盤を開発しているのがゲノム解析基盤開発分野 白石友一 分野長です。今回の「OUR RESEARCH FOCUS」では、「自律的な知識獲得基盤の実装に向けて」と題し、公共シークエンスデータを再解析してゲノム変異をカタログ化することの意義を語ってもらいました。

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小児脳腫瘍はどのようにして発生するのか 髄芽腫において新規の遺伝子異常を発見

小児の病気による死因で最も多い疾患である脳腫瘍の克服に取り組んでいる脳腫瘍連携研究分野鈴木啓道分野長のコラムです。

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がん微小環境を標的とした新規がん免疫療法の開発に向けて

免疫系は自己・非自己を識別し微生物などの非自己を排除するだけでなく、広範な生命機能に関わり宿主の恒常性維持に重要な働きをしていることが近年明らかになってきました。
しかし、過剰な免疫応答はアレルギーや自己免疫疾患を引き起こし、不十分な免疫応答は慢性感染症、発がんへとつながります。
西川分野長の取組はがん研究の新たな時代を切り開く取り組みと大変注目されています。
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