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研究と支援内容

ゲノム編集による疾患モデル動物の開発

遺伝子工学・発生工学技術による遺伝子改変マウスの作製支援体制を整えていきます。特に下記の一連のゲノム編集ステップを支援することにより、迅速・高効率・低コストなノックアウト/ノックインマウスといったがんモデル動物作製を目指します。

  1. 遺伝子改変マウス作製のための実験デザイン
  2. ゲノム編集を行うターゲット配列候補の選択
  3. 各候補sgRNAのゲノム切断効率の評価
  4. マウス受精卵における遺伝子改変と個体化
  5. 発生工学技術による遺伝子改変マウスの系統保存

 CRISPR

抗がん剤の薬効評価のin vivoモデル(膵がん)

患者由来のin vitro、in vivoモデルに加え、薬剤の免疫反応を解析する目的で作製した、マウス由来の膵がん同種同所移植系が利用可能です。皮下移植では起こりにくい転移なども、同所移植ならば解析できます。

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患者由来オルガノイド系を用いる分子標的薬のPOC/PDマーカー取得

製薬企業の薬剤ライブラリーから選抜された候補化合物について、実臨床に近いex vivoモデルを用いた解析を提案します。具体的には、患者由来オルガノイド系を用いてオミックス解析を行うことによりPOC/PDマーカー取得を目指します。
一方、オルガノイド系においてはがん組織内に存在する間質組織を欠くため、元々がん細胞から発現していた遺伝子の発現が低下する現象がみられます。そこで大腸がん由来オルガノイドにおいて、CAFと共培養系の確立を行っています。

オルガノイド系

マウス正常組織由来オルガノイドを用いるex vivo化学発がんモデル

マウスの肺など正常臓器・組織からオルガノイドを調製し、培地中に化学発がん物質を加えて培養し、更にマウス皮下に接種すると、がんに類似した組織が誘導されることを見出しました。このような発がんモデルを用いて、環境要因による発がん機構を明らかにすることを目指しています。

化学発がんモデル

がん発生原因の解明に寄与する遺伝子変異シグネチャーの探索

がんの発生には、喫煙やアスベストなどの環境要因が関与することから、がんを予防するためにはその実態解明が不可欠です。近年、次世代シークエンサーによりがんのゲノム解析を行い、変異シグネチャーの特性からがんの発生原因を推定する手法が開発されました。我々は細菌や動物モデルを用いて化学物質とがん発生との関連性を探索しています。

遺伝子変異シグネチャー