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薬効試験部門

研究室の紹介

創薬研究プロセスにおける臨床薬理(Clinical Pharmacology)は、医薬品開発における基礎から臨床を繋ぐ橋渡しに重要な役目を持ち、実地医療における育薬研究においても重要な研究分野の一つです。第I相臨床試験において動物実験からヒトへ繋ぐ研究の一つであり、特に毒性が強い抗がん剤において、薬物血中濃度と薬力学作用との相関解析、有効性・安全性が期待される濃度の推定、薬物代謝あるいは薬物輸送タンパク同定など臨床薬理研究は、創薬開発に大きなインパクトを与えます。

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臨床薬理試験では、生体内の中の薬物の動きを知るために、生体試料中の薬物濃度の分析手法の構築が重要である。しかし、投与した薬剤が適切に標的組織に到達しているかどうかは血中濃度だけでは不明である。そこで、質量分析イメージングを用いて、抗がん薬のミクロレベルの生体分布情報を可視化する技術を開発し、早期・臨床開発試験における投与量の最適化、Proof of concept評価への臨床応用を目指している。よって当分野では、分子レベルの薬理作用と臨床薬理研究を推進している。


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今後、抗がん剤の開発では、免疫チェックポイントなど新規技術が導入されるため、国際的な競争力を高めることが必要です。そこで、次世代PK/PD/PGx手法を構築し、新規抗体薬開発におけるPrecision Medicineを実現化するために効果予測手法を検討しています。すなわち、革新的技術を導入した薬物動態・薬力学・薬理遺伝学解析の基盤開発により、臨床医と臨床薬理学の専門家が協力し、創薬開発におけるトランスレーショナルリサーチに取り組んでいます。

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一方、従来の抗がん剤の創薬研究は細胞株で行われてきましたが、腫瘍の特性の一部しか反映しておらず、薬効評価から上市に至る薬剤は5%と臨床効果予測性の低さが大きな課題です。近年、免疫不全マウスに対し患者由来の腫瘍組織を直接移植するPDXモデルでは、臨床試験の奏効率と80%で一致するとされ、高い臨床効果予測性や腫瘍内不均一を保持した特性から新たな薬剤評価モデルとして注目されています。

国立がん研究センターは日本医療研究開発機構 医療研究開発革新基盤創成事業(CiCLE)による「がん医療促進のための日本人がん患者由来PDXライブラリー整備事業」に採択され、日本人由来で診断時だけでなく耐性例や希少変異を有する症例も含めた、欧米とは異なる独自のライブラリー構築を進めています。当分野では、PDX樹立した腫瘍組織に対し、次世代シーケンサーを用いたDNA/RNAシーケンス、逆相プロテインアレイを用いた蛋白発現やリン酸化の網羅的解析を含めたオミックス解析を実施し、この結果に基づいたバスケット試験で新薬・既存薬の薬効評価とPOCを取得するトランスレーショナルリサーチを行っています。さらに、質量分析イメージング、蛍光標識で蛋白発現個数や抗体医薬の薬剤分布を解析可能な蛍光イメージングシステム(共同研究:コニカミノルタ)を用い、薬物の可視化とDrug delivery system(DDS)へ影響を及ぼす腫瘍微小環境の評価も実施します。がん患者へ新薬を届けるためシーズを持つアカデミア・製薬企業との共同研究を歓迎します。お問合わせは分野長、濱田(akhamad@ncc.go.jp)にお願い致します。

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