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荻原 秀明

| 氏名 | 荻原 秀明(おぎわら ひであき) |
|---|---|
| 所属・職務 | がん治療学研究分野 分野長 |
| 内線番号 | 3467 |
| Eメール | hogiwara●ncc.go.jp(●を@に置き換えてください) |
| 専門 | 腫瘍治療学/合成致死/クロマチン制御/創薬標的探索 |
PI からのメッセージ
新しい治療原理を見いだし、患者さんに届く薬を、同じ手で創り出す。
私たち がん治療学研究分野 は、がん細胞に生じている遺伝子変異が引き起こす 「治療の足がかりとなる脆弱性」 を分子レベルで特定し、それを治療標的として攻める 合成致死治療法 の確立に取り組んでいます。
「薬で、がんを治す」 ── 一行で書けるこの目標は、しかし長年にわたって人類の悲願であり続けてきました。ゲノム解析技術の進歩により、個々のがんの分子設計図は読めるようになりました。次の段階は、その情報を、がん細胞を選択的に攻撃する治療 ── すなわち 個別化医療(Precision Medicine) へと変換することです。
当研究室の独自性は、基礎研究の発見を、患者さんに届く薬の候補(Clinical Translation)まで自分たちの手で運ぶ 体制にあります。独自のスクリーニング系、希少がんを含む臨床検体由来の細胞株パネル、製薬企業との論文公開済みの共同研究 ── これらを組み合わせることで、独自に考案した「パラログ同時阻害法」 をはじめとする独自の創薬戦略を、研究室の中で実装し続けています。
研究は、未知への挑戦です。うまくいかないことの方が多いかもしれません。それでも、その先にある発見が、いつか世界中の患者さんの命を救うことにつながり得る ── そう信じられる仕事だからこそ、続けてきました。
新しい治療原理を見いだし、世界へ発信する研究を、ここから一緒に進めましょう。
高い志を持ち、粘り強く、そして何よりサイエンスを楽しめる方と、ここで一緒に研究できる日を楽しみにしています。
研究哲学
「効くこと」と「なぜ効くか」を、同じ手で解き明かす
私の研究の出発点は、「合成致死」という概念が国内ではまだ広く知られていなかった 2010 年代初頭、SWI/SNF クロマチンリモデリング複合体の欠損がんに対する治療標的探索を始めた時期にあります。CBP/p300 のパラログ依存性(Cancer Discov 2016)、ARID1A 欠損がんのグルタチオン代謝脆弱性(Cancer Cell 2019)、CBP/p300 のパラログ同時阻害法(Nat Commun 2024)── と、当研究室の歩みは「標的を見つけるだけでなく、なぜそこが脆弱なのかを最後まで解き明かす」という一貫した姿勢で続いてきました。
現在は、独自に考案した パラログ同時阻害法 を、SWI/SNF 系から KRAS 変異・SMAD4 欠損・KDM6A 欠損まで適用範囲を広げ、希少がん・小児がんから難治性固形がんへと展開しています。
研究のスタイルとして大切にしてきたのは、次の 3 点です。
- 「メカニズムの深さ」と「臨床応用への橋渡し」を、両立させる ── どちらか一方を犠牲にしない研究室を目指してきました。
- メンバーの主体性を、テーマ設定の段階から尊重する ── 「与えられた仕事」ではなく「自分のテーマ」として責任を持てる環境を維持しています。
- 論文を、研究者としての通過点として書き切る ── 高インパクト誌を意識したロジカルライティングを、ドラフトの段階から徹底して指導します。
→ ラボの研究内容・運営方針の詳細は メンバー紹介 / 研究プロジェクト をご覧ください。
経歴
略歴
- 2019 年 ── 国立がん研究センター研究所 がん治療学研究分野 分野長(現職)
- 2020 年 ── 東京慈恵会医科大学 連携大学院教授(兼任、2025年終了)
- 2025 年 ── 東京科学大学大学院 非常勤講師(兼任)
- 2025 年 ── 長崎大学大学院 連携講座教授(兼任)
分野長就任前の研究業績については、PubMed Publication List および ORCID をご参照ください。
受賞歴
- 2020 年 ── 第 79 回日本癌学会 JCA-モヴェルネアワード
- 2019 年 ── 第 3 回国立がん研究センター築地キャンパス若手職員研究発表会 優秀ポスター賞
- 2018 年 ── 第 2 回国立がん研究センター築地キャンパス若手職員研究発表会 理事長賞
- 2017 年 ── 第 76 回日本癌学会 奨励賞
主な競争的資金
研究室の研究活動は、以下の主要な競争的資金により支えられています。
AMED(日本医療研究開発機構)
- 2025 年度 ── 創薬支援推進事業・創薬総合支援事業(代表)
- 2025 年度 ── 創薬基盤推進研究事業(代表)
- 2024 年度 ── 次世代がん医療加速化研究事業(代表)
- 2023 年度 ── 革新的がん医療実用化研究事業(代表)
- 2021 年度 ── 次世代がん医療創生研究事業(代表)
- 2019 年度 ── 次世代がん医療創生研究事業(代表)
- 2017 年度 ── 革新的がん医療実用化研究事業(代表)
科研費(日本学術振興会)
- 2024 年度 ── 基盤研究(B)(代表)
- 2022 年度 ── 萌芽研究(代表)
- 2021 年度 ── 基盤研究(B)(代表)
主要論文
主要論文の代表 3 編を以下に挙げます。全業績は 論文業績ページ を、研究テーマごとの深掘りは 研究ハイライト をご覧ください。
- Sasaki M, Kato D, Murakami K, Yoshida H, Takase S, Otsubo T, Ogiwara H. Targeting dependency on a paralog pair of CBP/p300 against de-repression of KREMEN2 in SMARCB1-deficient cancers. Nat Commun. 2024;15(1):4770. → パラログ同時阻害法の代表的成果。SMARCB1 欠損がんに対する CBP/p300 同時阻害の合成致死を確立。 PubMed
- Ogiwara H, Takahashi K, Sasaki M, Kuroda T, Yoshida H, Watanabe R, Maruyama A, Makinoshima H, Chiwaki F, Sasaki H, Kato T, Okamoto A, Kohno T. Targeting the Vulnerability of Glutathione Metabolism in ARID1A-Deficient Cancers. Cancer Cell. 2019;35(2):177-190.e8. → ARID1A 欠損がんがグルタチオン代謝に依存することを示し、研究室の代謝脆弱性研究の起点となった成果。 PubMed
- Ogiwara H, Sasaki M, Mitachi T, Oike T, Higuchi S, Tominaga Y, Kohno T. Targeting p300 addiction in CBP-deficient cancers causes synthetic lethality via apoptotic cell death due to abrogation of MYC expression. Cancer Discov. 2016;6(4):430-445. → CBP 欠損がんにおける p300 依存性と合成致死を示した、研究室の起点となる成果。 PubMed
外部プロフィール・関連リンク
外部プロフィール
- PubMed Publication List ── 論文業績の網羅的リスト
- ORCID: 0000-0003-0860-1807 ── 研究者識別子
研究室の関連ページ
- トップページ ── 研究室の入口・ビジョン・最新の研究成果
- 研究プロジェクト ── 独自の研究基盤と対象がん種別の研究プロジェクト
- 研究ハイライト ── 6 つの研究テーマの俯瞰
- メンバー紹介・採用情報 ── ラボ文化、メンバー、連携大学院、応募フロー
- 論文業績 ── 全論文・総説・受賞歴
- お問い合わせ・アクセス ── 共同研究・採用・取材
最終更新日: 2026-05-16

