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節性T濾胞ヘルパー細胞リンパ腫の分子分類とその臨床的有用性
節性T濾胞ヘルパー細胞リンパ腫(nTFHL)はT細胞に由来する末梢性T細胞リンパ腫の一種でで、RHOA G17VやTET2、IDH2といった遺伝子変異を特徴とします。予後は不良なことが多いものの、緩徐に進行する例もあり、臨床的に多様な経過を示します。
当研究室・北海道大学病院を中心とする北日本血液研究会・久留米大学との多施設共同研究により、nTFHLにおける遺伝子解析研究としてはこれまでで最大規模となる173例の検体を収集し、標的シーケンス解析を行いました(Ito Y, Leukemia, 2025)。その結果、4個の新規遺伝子(TET3、HLA-C、KLF2、NRAS)を含む36個のドライバー遺伝子を同定し、これらの遺伝子異常の多様性がnTFHLの臨床的な不均一性と関連していることが示唆されました。
さらに本研究では、TET2、RHOA、IDH2、TP53、CDKN2A異常に基づいた分子分類を作成し、臨床像や生命予後の異なる4つの分子亜型を同定しました。TP53またはCDKN2A異常を有する亜型(AC53)は極めて予後不良である一方、これらのいずれの異常も認めない亜型(NSD)は予後良好で、特にドライバー異常を認めないNSD症例は極めて予後良好でした。さらに、(1)TP53またはCDKN2Aの異常、(2)いずれかのドライバー異常、(3)臨床因子である国際予後指標(IPI)の高リスク、の3項目により構成される臨床遺伝学的予後予測モデル「mTFHL-PI」を開発しnTFHLの予後が層別化されることを示しました。本成果は、個別化医療や新規治療開発の基盤として期待されます。
研究トピックス「節性T濾胞ヘルパー細胞リンパ腫の分子分類とその臨床的有用性~4つの分子亜型への分類とTP53やCDKN2A異常を有する予後不良群の同定~」

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