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がん免疫微小環境の形成機序の解明と診断・治療薬創薬標的同定

術前化学療法は難治性膵がん治療に標準的に導入され、わずか2クールのGS療法でも特徴的に硬い膵がん組織に硬度減少と肉眼的な腫瘍領域不明瞭化をもたらすことがしばしば経験されます。この効果的な術前化学療法により膵がん間質はコラーゲン分子の質・量の変化を伴うリモデリングが生じ、膵がん悪性形質を惹起する分子が減弱することがわかりました。その要因としてがん関連線維芽細胞とがん細胞のEphrin-A5, EphA2を介した相互作用の減弱とその下流に位置するコラーゲン分子発現修飾により引き起こされると考えられます。

膵がん術前化学療法によるがん間質リモデリングの画像
図 4 膵がん術前化学療法によるがん間質リモデリング