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AYA世代(思春期・若年成人)と希少がん

更新日 : 2021年3月1日

公開日:2021年3月1日

AYA世代のがんについて

AYA(あや)とはAdolescent&Young Adult(思春期および若年成人)のことであり、一般には15~39歳の世代とされています。この世代は小児から成人へと移行していく時期にあたり、就学や就労、結婚や出産、育児といった、様々なライフイベントが起こる時期でもあります。
AYA世代に発生するがんはその多くが希少がんに分類されるものであり、またその総数も比較的少ないとされています。この世代の新たながん患者発生数は年間約2万人で全体の2.5%に過ぎません。しかし、AYA世代の病気による死亡原因のトップはがんによるものです。
AYA世代にがんに罹患すると、その治療の過程において、通学や仕事の継続に支障をきたすことが往々にしてあります。また治療の影響により不妊となることもあり、出産や育児への影響も小さくありません。さらには、仕事の継続が難しくなることもあり、金銭面の問題も看過できません。このような要因から、AYA世代のがん診療は、医学的な面だけでなく、精神的・社会的な面からのサポートが必要となります。

AYA世代のがんと他の世代のがんとの違い

一般に小児に発生するがんは小児科医が、また成人に発生するがんは各専門医が、それぞれ診療にあたりますが、AYA世代にはその両方のがんが発症するため、専門的に診療にあたる医師が比較的少ないとされています。また特に10代に発生することが多いがんには、白血病や胚細胞腫瘍、骨軟部腫瘍や脳腫瘍といった、いわゆる希少がんが多いため、時に診断や治療が困難なこともあります。
近年におけるAYA世代のがん患者の生存率の改善は、小児がんや成人がんと比べ劣っていることがわかっています。この理由として、AYA世代がんの生物学的特性や化学療法抵抗性が成人とは異なること、比較的進行期での発見が多いこと、さらにはAYA世代がんを対象とした臨床試験が少ないことなどが挙げられています。

AYA世代がんサバイバー

がんサバイバーとは、がん治療を終了し、がんを克服した人だけでなく、現在治療中の人、さらにはがんとともに生きている人までを含む、「がんを経験した」人のことを指します。AYA世代のがんサバイバーには、大きく分けて2つのグループがあります。それは、AYA世代でがんに罹患された人と、15歳未満の小児期にがんを経験し、現在AYA世代となっている人です。この2つのグループの間には、がんの種類の違いや晩期合併症(治療終了後数年~十数年で発生する健康上の問題)などが異なる傾向があることが知られています。
AYA世代のがんサバイバーには、精神的・心理社会的サポートのみならず、認知機能・性機能・妊よう性・復職などに関する支援といった、広い分野にわたるサポートが必要となります。もしAYA世代がんサバイバーの方で困っていることがある方は、何でも担当医や看護師、その他医療者に遠慮なくご相談ください。

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執筆協力者

岩田 慎太郎(いわた しんたろう)
  • 岩田 慎太郎(いわた しんたろう)
  • 希少がんセンター
  • 国立がん研究センター中央病院
  • 骨軟部腫瘍・リハビリテーション科
川井 章(かわい あきら)
  • 希少がんセンター長 川井 章(かわい あきら)
  • 希少がんセンター長
  • 国立がん研究センター中央病院
  • 骨軟部腫瘍・リハビリテーション科


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