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がん核酸医薬療法の開発

更新日 : 2024年3月22日

TP53変異を狙った核酸医薬開発


新型コロナウィルスのmRNAワクチンで脚光を浴びた核酸医薬ですが、核酸医薬、なかでもASO(アンチセンスオリゴヌクレオチド)はスプライシングと相性が良いことから、がんRNA研究分野では以前から核酸医薬をがん治療に応用できないか、研究開発を進めています。

がんにおいては様々な遺伝子変異が見られますが、その中には一定の比率でその遺伝子自身にスプライシング異常を引き起こすような変異(SAV: Splicing-associated variant)があります。

詳細→プレスリリース

中でもこうしたSAVが多く見つかったのがTP53がん抑制遺伝子です。

わたしたちは、TP53遺伝子のSAVにより生じたスプライシング異常を核酸医薬ASOで修正する取り組みを行っています。


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主担当者:工藤 麗

Grant: AMED創薬基盤推進研究事業


Ewing肉腫のドライバー遺伝子を標的にした核酸医薬開発

Ewing肉腫は主に骨や軟部組織に発生する稀な悪性腫瘍です。Ewing肉腫は若い人々に発症しやすく、特に10代から20代の若年層で多く見られます。
わたしたちは、CRISPRスクリーニングによって、Ewing肉腫のドライバー遺伝子mRNAの安定性制御に関わるRNA結合タンパク質を同定しました。
現在、詳細な機能を解析するとともに、注目するRNA結合タンパク質の結合部位を阻害する核酸医薬の開発を進めています。

HP-Ewing.jpg

主担当者:河知 あすか

Grant: 国立がん研究センター研究開発費