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多くのがんに“共通”する目印 ~共通がん抗原~

  1. 免疫療法にとって大切な「目印」
  2. がんの「目印」
  3. “共通”のメリット・デメリット

1. 免疫療法にとって大切な「目印」

免疫療法は免疫細胞(主にT細胞、B細胞)を使ってがんを攻撃する治療法です。免疫細胞は私たちの体内にもありますし、体内の免疫細胞ではがんを倒すのに足りない場合は、外から入れてあげる(移植する)場合もあります。どちらにしても、免疫細胞を活性化させてがんを攻撃するためには、免疫細胞が「攻撃対象であるがん」を判断するための「目印」が必要になります。この目印は「抗原」と呼ばれ、全身の組織や臓器、細胞、さらにそれぞれの状態によって変化します。免疫細胞は、基本的に正常な細胞が持っている「抗原」には反応しません。

2. がんの「目印」

がん細胞は、元々『正常な自分の細胞』であるため、「目印」の発見が難しいとされています。私たちは、がん細胞では多く、正常な細胞では“ない” もしくは“とても少ない”「目印=がん抗原」を10種類発見しました。
また、近年は遺伝子診断(遺伝子解析)によって、がん抗原の(設計図となる遺伝子)の有無や異常の有無の判定が行われることが多くなっています。

がんの「目印」

3. “共通”のメリット・デメリット

遺伝子診断(遺伝子解析)では「使えるか・使えないか」の決定や、診断結果に合わせて「その人にピッタリの薬(免疫細胞)を作る(オーダーメイド)」ことができます。その人用に調整した治療のため、不具合=副作用が小さく、高い効果も期待できます。その一方で、時間や費用が多くかかることが一般的です。
一方、「がんに共通の目印」、つまり「共通がん抗原」の場合、事前に免疫細胞(キラーT細胞)を準備できることや、多くのがん患者さんに共通して使うことができるというメリットがあります。その結果、治療開始までの時間短縮や、費用を抑制することが可能となります。しかし、共通がん抗原がない場合や、数・量が少ない場合は効果が期待できない場合もあります。

遺伝子診断(解析)・共通がん抗原診断(解析)