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職域における喫煙対策の実装研究

更新日 : 2022年3月31日

喫煙は、日本人のがんおよび死亡の予防可能な最大のリスク要因であり、喫煙対策はわが国の疾病予防において最優先すべき課題といえます。

喫煙対策を含む職場の健康増進介入実施においては、経営層の理解や関与の重要性が指摘されています。そこで、私たちは中小事業所のリーダーに注目し、彼らがエビデンスのある職場の喫煙対策を効果的に実施できるよう支援を行う実装研究に取り組んでいます。

実装研究とは、患者、保健医療従事者、組織、地域などのステークホルダーと協働しながら、エビデンスのある介入法を、効果的、効率的に日常の保健医療活動に取り入れる方法を開発、検証する学問領域です。

あらゆる事業所において『従業員が健康になれる職場づくり』が実現できるよう、新たな実装戦略の開発、効果検証、そしてより多くの事業所へのスケールアップを行っていきます。また、将来的には、ウイルス性肝炎対策、がん検診、高血圧など喫煙以外のトピックへの適用を目指しています。

職場での健康増進を成功させる要因についての質的研究

目的:中小事業所が健康増進対策を実施する際の促進阻害要因を明らかにすること

デザイン:半構造化インタビューを用いた内容分析

フレームワーク:実装研究のための統合フレームワーク(CFIR)

対象事業所:協会けんぽに加入しかつ健康増進対策の実施を宣言している15の中小事業所

対象者:各事業所の健康管理担当者および事業主

主な結果:「対策の目的や思いを事業主が自ら伝えている」、「職場の健康づくり対策が重要であるという信念を担当者が持っている」など、組織のリーダーが積極的にかかわっている事業所では、対策がうまくいっていることが示された。

この調査の結果から、事業主・健康管理担当者を対象としたオンラインの介入プログラムを開発した。

研究論文が出版されました。日本語による研究概要はこちら

Saito, J., Odawara, M., Takahashi, H. et al. Barriers and facilitative factors in the implementation of workplace health promotion activities in small and medium-sized enterprises: a qualitative study. Implement Sci Commun 3, 23 (2022). https://doi.org/10.1186/s43058-022-00268-4

オンライン介入プログラム開発と実施可能性の検討

研究課題名:職域における喫煙対策を促進させる介入手法の開発

目的:中小事業所を対象とした喫煙対策支援のためのオンライン介入プログラムの実施可能性を検討すること

デザイン:単群実施可能性試験

実装研究フェーズ:Phase 1

介入:事業主および健康管理担当者の喫煙対策実施を促すための対話型支援(Web面談による双方向、伴走型支援)

対象事業所:ICT企業の3支店

介入対象者:各支店の担当者1名、および、事業主1名

評価対象者:各支店の担当者1名および事業主1名および対象支店の全従業員

介入実施期間:2020年8月~6か月間

UMIN試験ID:UMIN000041258

オンライン介入プログラムの効果検証

研究課題名:中小事業所における事業主および健康管理担当者による喫煙対策を支援する介入の有効性評価: eSMART-TC (N-EQUITY2101/J-SUPPORT2102)

目的:事業主・健康管理担当者のみに行動変容を促すことで、職場での喫煙対策が促進され、禁煙割合が高くなるかという仮説を検証すること

デザイン:クラスターランダム化比較試験

実装研究フェーズ:Phase 2

介入:事業主および健康管理担当者の喫煙対策実施を促すための対話型支援(Web面談による双方向、伴走型支援

対象事業所:協会けんぽに加入しかつ「健康宣言」制度を利用し、事業主の喫煙対策に対する準備性が高い中小事業所(従業員数 30-300名)

介入対象者:各事業所の担当者1名、および、事業主1名

評価対象者:各事業所の担当者1名および事業主1名および対象事業所の全従業員

UMIN試験ID:UMIN000044526

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図.研究デザイン