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調査の概要

小児がんは、数が少ない、多種多様な希少がんを多く含む、成長過程への配慮の必要性などの特徴により、成人とは異なる対策が求められ、がん対策の課題の一つとして、がん対策推進基本計画に挙げられています。小児がん対策の効果・進捗を評価する上で、患者・家族の皆様の療養・社会生活体験を知ることは必須であり、そのために、診断時18歳以下の方々を対象として、小児患者体験調査が行われることになりました。2019年には最初の調査が行われ、2014年、2016年に診断された患者さんたちを対象として、診療施設の協力のもとで調査が行われました。

調査方法・対象者

対象者

 院内がん登録2014年および2016年症例全国集計参加施設において、当該年に治療が開始された診断当時18歳以下の患者を母集団とした全数調査とし、参加を表明した院内がん登録実施施設で、初回治療を受けた全悪性腫瘍の患者を調査対象としました。
参加の協力が得られた97施設、総計2,511人に対して調査票を発送、回収数1,221人(回収率48.6%)、今回の報告書では、小児がん患者1,029人が解析・報告の対象となっています。

質問項目

成人の患者体験調査の質問項目を参考に、小児がん患者の体験に特異的な分野である「病状説明・告知」「教育」「長期フォローアップ」に関する質問を設定し、小児がん医療の特徴や課題を的確にとらえられるように工夫しました。調査票の作成、実施および報告書の作成にあたり、患者家族などのがん患者関係者、医療関係者からのご協力をいただきました。
主な質問は、診断・治療までに要した時間、情報提供、生殖機能への影響、医療者とのコミュニケーション、治療スケジュールに関する十分な情報の取得、つらい症状へのすみやかな対応、病気についての説明・告知、経済的負担、家族の就労、相談支援、教育の継続支援、がん医療の進歩・知識などが含まれます。