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米国癌学会旗艦誌Cancer Discoveryに研究所の論文成果がトピックとして紹介 新たな胃がんの治療開発に向けた成果と世界が期待

2023年6月8日
国立研究開発法人国立がん研究センター

国立研究開発法人国立がん研究センター研究所 がんゲノミクス研究分野分野長 柴田龍弘を中心とする研究チームの論文成果が、米国癌学会旗艦誌Cancer Discoveryのトピックとなる論文を取り上げて紹介するResearch Watchに2023年6月1日付けで掲載されました。

研究チームは、世界最大規模の胃がんゲノム解析を行い、胃がんの新たな治療標的として有望なドライバー遺伝子(注1)を複数発見しました。またこれまで原因不明であったびまん型胃がん(注2)について、飲酒に関連したゲノム異常が関連することを初めて明らかにしました。

びまん型胃がんを含め、胃がんにおける治療標的となるドライバー遺伝子の全体像を解明したことが評価されての掲載となりました。

論文成果について

詳細は、2023年3月14日発表 プレスリリースをご覧ください。

https://www.ncc.go.jp/jp/information/pr_release/2023/0314_1/index.html

米国癌学会旗艦誌Cancer Discoveryについて

世界最大の癌学会であるAmerican Association for Cancer Research (米国癌学会:AACR)の機関誌です。

実際の掲載ページは以下からご覧いただけます。

https://aacrjournals.org/cancerdiscovery/article/13/6/1283/726951/Driver-Events-of-Gastric-Cancer-Differ-According(外部サイトにリンクします。)

用語解説

 (注1)ドライバー遺伝子

異常を起こすことによってがんの発生や進展に寄与する遺伝子を総称してがんドライバー遺伝子と呼ぶ。がん細胞の増殖や転移を促進する「がん遺伝子」とそれらを抑制する「がん抑制遺伝子」がある。がんドライバー遺伝子を標的とした診断(パネル遺伝子診断)や治療(分子標的薬治療)が現在ゲノム医療として進められている。

(注2)びまん型胃がん

がん細胞同士の接着が乏しく、バラバラになりながら浸潤するタイプの胃がん。間質の線維化が強い症例はスキルス胃がんとして知られる。発症要因については未解明であり、予防に向けた原因解明が強く期待されていた。

研究に関する問い合わせ

国立がん研究センター研究所

がんゲノミクス研究分野 分野長 柴田 龍弘

Eメール:tashibat●ncc.go.jp