トップページ > 研究組織一覧 > 分野・独立ユニットグループ > 希少がん研究分野 > 研究室紹介 > 築地発見伝 > 築地発見伝2025年
築地発見伝2025年
HUPO2025(トロント、カナダ)
2025年11月9日~13日、カナダのトロントで24th Human Proteome Organization World Congress – HUPO 2025が開催されました。希少がん研究分野から野口・大崎・河野・塩田が参加しました。今年は、疾患・がん・AI・動物など様々な分野からなるプロテオーム解析に関連したポスター・口頭発表があり、特にミツバチに関するプロテオーム解析などの講演は大変興味深く感じました。いよいよ多分野にわたってプロテオーム解析が浸透していることを実感しました。会期中の天気は氷点下でしたが、寒さに負けない熱い議論が繰り広げられており、とても刺激的な学会でした。日々の研究活動にも活かせるよう邁進していきたいと思います。
また会期中の空き時間を利用して、会場から車で10分程度の位置にあるトロント大学へお邪魔しました。希少がん研究分野とゆかりのあるDr.Severaの研究室を訪問し、施設や現在進行中の研究について紹介していただきました。私たちが樹立したCIC再構成肉腫の細胞株を利用した研究をされており、遠く離れた場所の研究にも役立てられていることに大変うれしく思います。
以下当研究室からの発表演題です。
塩田 よもぎ(ポスター発表)
Pharmaco-Proteogenomic Biomarker Discovery in Sarcoma Using Complementary 2D and 3D Culture Systems
大崎 珠理亜(ポスター発表)
Decoding the Proteomic Landscape of Cancer Cachexia Using Murine Models and Archival FFPE Tissues
河野 健太(ポスター発表)
Reevaluating Trabectedin Sensitivity in Sarcomas: a Comparative Oncology Perspective Beyond Fusion Gene Status
野口 玲(ポスター発表)
Proteomic Revival of Archival FFPE Cancer Samples: Optimizing Yields From 30-Year-Old Cancer Samples Via a Triple Extraction Approach

写真下段:左から3番目の方がDr.Severaです。
(2025.11.17 塩田)
Spine Week Japan 2025(第6回BioSpine Japan)(幕張、千葉)
10月30日-11月1日に幕張メッセで開催されたSpin Week Japan 2025 (第6回BioSPin Japan研究会)にて、大学院生河野健太が「Reevaluating Travectedin Sensitivity in Sarcoma:
A Comparative Oncology Perspective Beyond Fusion Gene status」と題する講演をし、優秀演題賞を受賞しました。千葉大学整形外科出身の大学院一年生で、今年から近藤ラボで研究をスタートしております。幸先のよいスタートで、より一層研究に励みます。
大鳥精司千葉大学整形外科教授と受賞後の記念写真
(2025.11.01河野)
第76回電気泳動学会学術大会(松山、愛媛)
2025年10月25日、26日に愛媛大学城北キャンパスで開催された第76回電気泳動学会学術大会に、招待講演の座長として近藤が、一般講演演者として大崎、塩田、木村が参加しました。
電気泳動の技術は歴史が古く、現在でも様々な実験に用いられています。学術大会では、電気泳動に関連する興味深い技術・研究だけにとどまらず、分野の垣根を超えた様々な研究演題が発表されました。普段あまり聞くことができないような、臨床検査技師の先生方によるご講演も大変面白く拝聴いたしました。
また今回は、当研究分野で研修中の東京バイオテクノロジーの学生 木村陽菜さんも初めてのポスター発表を行いました。学会参加も初めての経験ということで、直前まで非常に緊張している様子でしたが、積極的に参加者へ声掛けを行い、ポスター発表を行っていました。この経験をぜひ、今後の研究活動や就職活動に活かしていただきたいと思います。
以下当研究室からの発表演題です。
大崎珠理亜(一般口頭発表・優秀賞受賞)
患者由来がん悪液質モデルを用いた臓器横断的オミクス解析による病態関連分子と治療候補化合物の同定
塩田よもぎ(一般口頭発表)
培養条件依存的な薬剤感受性と発現変動の統合解析
木村陽菜(一般ポスター発表)
全自動二次元電気泳動装置と動物モデルを使った悪液質血漿タンパク質の研究
(2025.10.28 塩田)
Comparative Medicine Symposium(ソウル/順天、韓国)
2025年10月20日にソウル国際大学(SNU)で開催された比較医学研究シンポジウム(Comparative Medicine Symposium)および10月21日、22日に韓国獣医学会(KSVS)で開催されたシンポジウムに近藤、野口、大崎、塩田が参加しました。
韓国にあるソウル国際大学では、様々な分野における人と動物の比較医学研究が進められており、腫瘍学に限らず、神経病学、遺伝学など幅広い研究プロジェクトが展開されていました。シンポジウムでは、学部学生や大学院生の研究に対する意欲・意識が非常に高く、活発な議論が飛び交っておりました。日本からも獣医学研究分野の先生方とともに、私たち希少がん研究分野が招待され、有意義な交流の場となりました。今後も国際的な比較腫瘍研究を進めていければ幸いです。
以下当研究室からの発表演題です。
近藤 格(SNUおよびKSVS招待講演)
Why Are Rere Cancers Rare? The Potential of Comparative Oncology
野口 玲(SNU招待講演)
Cross-disciplinary Integration of Digital 3D Pathology and FFPE-based Multi-omics for Rare Tumor Prognostication
大崎珠理亜(SNU招待講演)
Cancer Cachexia Research Using Patient-Derived Models: Multi-Omics Analysis Revealing Molecular Backgrounds and Identifying Therapeutic Candidates
塩田よもぎ(SNUおよびKSVS招待講演)
Canine Omics/Organoid Atlas: Uncovering Molecular Mechanisms and Driving Clinical Applications in Comparative Oncology

(2025.10.28 塩田)
KHUPO 2025(釜山、韓国)
2025年10月15日から17日にかけて、韓国、釜山のBPEXにて開催された KHUPO 2025 のシンポジウムに招待いただき、発表を行いました。
会期中は、韓国をはじめとするアジア各国の研究者と意見交換を行い、最新のプロテオーム研究の動向に触れることができました。
本学会を通じて、国際的な研究交流を深める大変有意義な機会となりました。今後、より一層研究に邁進したいと思います。
発表演題:Cancer Cachexia Research Using Patient-Derived Models: A Multi-Omics Approach for the Molecular Background of Disease and Novel Therapeutic Strategies
(2025.10.28 大崎)
水上君送別会・Liuさん歓迎会
2025年10月6日に任意研修生の水上君の送別会と新たにインターンとして研修にきたLiuさんの歓迎会を行いました。
水上君は東京農工大学の獣医学部生ですが、昨年10月から1年間希少がん研究分野で任意研修生として参加していました。とても働き者で、気遣いのできる青年なのでラボは少し寂しくなります。10月からは大学へ戻り、卒論研究や国家試験に向けて日々忙しくなるようです。水上君、1年間お疲れさまでした。ラボ一同今後の活躍を応援しています。
水上君と入れ替わりに、東京農工大学大学院のLiuさんがインターンシップとして約2か月間研修に来てくれることになりました。中国出身の語学が堪能な博士学生です。短い間ですが、楽しく一緒に研究ができると嬉しいです。よろしくお願いします。

前列左からLiuさん、近藤先生、水上君
(2025.10.08 塩田)
第84回日本癌学会学術総会(金沢、石川)
2025年9月25日~27日に開催された第84回日本癌学会学術総会に、近藤先生、大崎、塩田が参加しました。
多くの研究者や企業が参加し、様々な分野のがん研究の発表を見聞きすることで、自身の研究にも役立つような新たな知見を共有することができました。また今年は日本獣医がん学会との合同シンポジウムが開催され、ヒトと動物の比較腫瘍学が発展する大きな一歩になると思います。当研究室の近藤格先生も希少がん研究の視点から、比較腫瘍学のシンポジウムで講演をしています。
本学会での経験を日々の研究に活かせるようさらに邁進していきたいと思います。
以下当研究室からの発表演題です。
近藤 格(シンポジウム講演)
Understanding the Rarity of Rare Cancers: Insights from Comparative Oncology
希少がんはなぜ希少なのか:比較腫瘍学からのアプローチ
野口 玲(口頭発表)
時を超えるホルマリン固定標本:30年前の肝臓がん病理標本と3つの方法を用いて
大崎珠理亜(ポスター発表)
患者由来がん悪液質モデルにおけるプロテオゲノミクス解析:臓器標的型治療戦略の構築に向けて
塩田よもぎ(ポスター発表)
多様な培養系による薬効予測バイオマーカーの開発:疑似オルガノイドと単層培養
(2025.10.06 塩田)
第43回日本ヒト細胞学会学術集会(西新橋、東京)
2025年9月6日~7日に東京慈恵会医科大学にて開催された第43回日本ヒト細胞学会学術集会に、参加しました。今大会のテーマは「トランスレーショナルリサーチのためのヒト細胞学」でした。がん領域に限らず、再生医療、免疫、AIなど幅広い研究成果が報告され、基礎から臨床まで多様な立場の研究者が一堂に会しました。会場では、それぞれの成果をいかに臨床応用へつなげるかについて活発な議論が交わされました。
当研究室からは以下の演題を口頭発表しました。
近藤 格
「肉腫細胞株の樹立と配布:21世紀の肉腫研究のために」
塩田 よもぎ
「肉腫の新しい培養モデル “sarcomoid” の構築と活用」
大崎 珠理亜
「患者由来がんモデルを用いたがん悪液質研究:臓器横断的マルチオミクスによる病態機序の解明と治療標的の同定」
河野 健太
「比較腫瘍学と pharmaco-proteogenomics による骨肉腫におけるトラベクテジン感受性を決定する分子機構の解明」

集合写真(2025.09.07 大崎)
8月6-8日 日本プロテオーム学会2025年大会(木更津市、千葉県)
かずさアカデミアホールで開催された「日本プロテオーム学会2025年大会」に参加しました。かずさアカデミアホールで開催されました。懇親会は「ポルシェ・エクスペリエンスセンター東京」で行われ、ポルシェの最新の電気自動車に試乗する機会に恵まれました。プロドライバーの運転でサーキットを2週しました。低重心で安定感が素晴らしかったです。帰りは安全運転で帰宅しました。
以下当研究室からの発表演題です。
塩田よもぎ(ポスター発表)
「⾁腫の薬剤応答性を可視化する︓Pharmaco-proteogenomics による新規がんモデルの開発」
大崎珠理亜(ポスター発表)
「がん悪液質における分⼦病態の解明と治療標的の探索︓患者由来がんモデルを⽤いた臓器横断的マルチオミクス解析」
(2025.08.08河野)
土屋先生、岩田先生壮行会
当教室OBの土屋先生(船橋市立医療センター整形外科)、岩田先生(千葉大整形外科)の2名の壮行会を燻製鉄板焼 クラフトビール MOKU 新橋店で06月09日(月曜日)に行いました。研究の話のみならず、人生観、大局観を語る熱い飲み会となりました。キーワードは"人生は修行"です。土屋先生は英国、岩田先生は米国に今夏留学されます。お二方の益々のご健勝をお祈りいたします。
集合写真(2025.07.18 河野)
第114回日本病理学会総会(仙台、宮城)
2025年4月17日~19日に仙台国際センターで開催された第114回日本病理学会総会(第114回日本病理学会総会)のワークショップにて、がん悪液質に関する研究成果を発表しました。今回の講演では、がん悪液質モデルとオミクス解析を組み合わせた、病態解明に向けた取り組みを紹介しました。病理学会への参加は今回が初めてだったため、とても緊張しました。一方で、普段あまり接点のない分野の先生方のお話を伺ったり、ディスカッションする機会をいただけたことは、大きな収穫でした。自分の見ている範囲の狭さや考え方の偏りに気づかされる場面も多く、疾患に対する捉え方や研究の進め方を見直すきっかけとなりました。
(2025.05.22 大崎)
新メンバー加入!!!!(4月16日)
4月より野口玲先生の後任として塩田よもぎ先生が研究員に就任しました。また、3名の大学院生(河野健太、Shu TingTing、上通侑樹)が加わりました。力を合わせて希少がん研究をがんばります。

集合写真(2025.04.16 近藤)
近藤研の春の宴会・送別会(3月14日)
6年ぶりの春の宴会を行いました。近藤研のOB、OG、ゆかりのある先生方が総勢43名参加し、盛り上がりました。千葉大学整形外科教室の岩田秀平先生、旭川医科大学消化器外科教室の安達雄輝先生、東京バイオテクノロジー専門学校の後藤詩織さん、野口の送別会も同時に行いました。久しぶりに皆で集まり、語り合う喜びを改めて実感した時間でした。今後もこうしたつながりを大切にしたいと思います。参加者の方々の、それぞれの道での活躍を願っています。
集合写真(2025.03.19 野口)
金原一郎記念医学医療振興財団 第39回研究交流助成金 贈呈式参加(東京)
公益財団法人 金原一郎記念医学医療振興財団の第39回研究交流助成金に採択され、3月6日の贈呈式に参加しました。本助成金は、2025年3月から2026年3月に海外で行われる基礎医学医療研究に関する学会への参加に関わる費用に対するものです(外部リンク)。当日は金原優常務理事(株式会社医学書院代表取締役会長)から認定書をいただきました。本助成金で今年の11月にカナダのトロントで開催されるプロテオームの世界最大の国際学会である24th Human Proteome Organization World Congress(外部リンク)に参加し、30年前のホルマリン固定標本を用いたプロテオーム解析について発表し、世界中の研究者と熱い議論を行いたいと思います。
(左)いただいた認定書(右)受賞後の記念写真(金原一郎医学医療振興財団から掲載の許可を得ています)
(2025.03.12野口)
第8回日本サルコーマ治療研究学会学術集会(札幌、北海道)
2025年2月21日、22日に北海道大学で開催された第8回日本サルコーマ治療研究学会学術集会(外部リンク)に野口、大崎、岩田、塩田が参加しました。
希少がんであるサルコーマ(肉腫)の治療の現状や課題、新たな試みなど様々な発表が行われ、知見を広げることができました。普段なかなか話す機会のない患者さんの声も聴くことができる貴重な経験でした。これからも基礎研究の立場から臨床へつなげられるよう頑張ります。
以下当研究室からの発表演題です。野口玲先生は優秀演題賞を受賞されました。
近藤格(ポスター発表)
腫瘍組織から樹立した肉腫細胞株の配布について
野口玲(口頭発表・優秀演題賞受賞)
肉腫の薬剤探索:患者由来肉腫細胞株とファーマコゲノミクスを用いて
大崎珠理亜(ポスター発表)
トランスレーショナルリサーチにおける患者由来がん細胞株の最適化に 向けて:滑膜肉腫患者由来がん細胞株の樹立と分子特性解析
岩田秀平(口頭発表)
プロテオゲノミクス解析による悪性骨軟部腫瘍の新たな診断・治療標的 の同定
塩田よもぎ(ポスター発表)
肉腫の薬効評価モデルの開発:三次元培養細胞の形態・機能・ 分子生物学的特徴の解析

(2025.3.3 塩田)
東京バイオテクノロジー専門学校の卒業研究発表(蒲田、東京)
大田区産業プラザにて行われた東京バイオテクノロジー専門学校の卒業研究ポスター発表に参加してきました。
希少がん研究分野に研修に来てくれている後藤さんも、自動二次元電気泳動装置Auto2Dを用いた解析について発表しました。
会場には多くの出席者が集い、盛り上がっていました。
後藤さん、発表お疲れさまでした。

左から順に近藤先生、後藤さん、塩田
(2025.2.3 文責:塩田)
新年会(新橋、東京)
新年会を開催しました。今までにラボメンバーで何度か訪れた、激辛の石焼麻婆豆腐で有名なお店です。
今年も一年、がんばりましょう。

(2025.1.20 近藤)

