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研究の奥の細道

3月29日 小野君送別会(東京)                          

長崎大学・連携大学院の小野拓也君の送別会を行いました。小野君は修士のときから5年半にわたり、近藤ラボで研究をしました。4月からは企業の研究所で活躍します。これから研鑽を積み、どこかでまた一緒に研究できるといいですね。
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3月21-24日 World Veterinary Cancer Congress 2024(東京)

World Veterinary Cancer Congress 2024に出席しました。ヒトでは希少がんである肉腫が、ペット動物のイヌ、ネコでは頻度が高いという点に興味をもっています。たとえば、イヌでは骨軟部肉腫は全がんの約10-15%を占めますが(文献1)、全がんの10%というとヒトではだいたい前立腺がんや乳がんの罹患率に匹敵します(文献2)。また、ネコではもっとも頻度が高い悪性腫瘍は肉腫です(文献3)。そして、ゲノム・トランスクリプトーム解析ではヒトとイヌの高い類似性が発表されています(文献4)。また、ヒトで用いられている薬を小動物に適応拡大する試みが盛んに使われています(文献5)。「なぜ希少がんは希少なのか」という、希少がん研究に普遍的な問いに対する答えが意外なところにあるのかもしれません。また、ヒトと動物の比較から、希少がん・肉腫の予防に役立つ発見が期待できるかもしれません。

文献

  1. Gustafson DL, Duval DL, Regan DP, Thamm DH. Canine sarcomas as a surrogate for the human disease. Pharmacol Ther. 2018 Aug;188:80-96. doi: 10.1016/j.pharmthera.2018.01.012. Epub 2018 Mar 9. PMID: 29378221; PMCID: PMC6432917.
  2. がん情報サービス(最新がん統計):https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/summary.html
  3. Dobromylskyj M. Feline Soft Tissue Sarcomas: A Review of the Classification and Histological Grading, with Comparison to Human and Canine. Animals (Basel). 2022 Oct 12;12(20):2736. doi: 10.3390/ani12202736. PMID: 36290122; PMCID: 
  4. Harrison BM, Loukopoulos P. Genomics and transcriptomics in veterinary oncology. Oncol Lett. 2021 Apr;21(4):336. doi: 10.3892/ol.2021.12597. Epub 2021 Feb 26. PMID: 33692868; PMCID: PMC7933772.
  5. Giuliano A, Horta RS, Vieira RAM, Hume KR, Dobson J. Repurposing Drugs in Small Animal Oncology. Animals (Basel). 2022 Dec 29;13(1):139. doi: 10.3390/ani13010139. PMID: 36611747; PMCID: PMC9817697.

3月21日 秋山先生おめでとうございます(千葉)

千葉大学整形外科から研修に来ていた秋山太郎先生が、このたび学位を取得し、合わせて学府長賞(成績優秀賞)を受賞しました。秋山先生は、肉腫を対象として患者由来がんモデルから網羅的解析そしてバイオインフォマティクスまで幅広いアプローチをとって研究に取り組んできました。臨床医として活動しながら、これからも研究者の視点を持ち続けていただきたいと思います。
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3月19日 第86回長崎大学 大学院セミナー(長崎)

国立がん研究センターは長崎大学と連携大学院の協定を結んでいます。私は6年ほど前から連携教員として大学院生の教育に参加しています。このたび、第86回長崎大学大学院セミナーにて、「患者由来がんモデルを用いた希少がんの研究」と題する講演をしてきました。同じようなタイトルで毎月のように講演をしていますが、聴衆に合わせて内容を変えています。当日は多くの教員そして学生の方に聴講していただき、活発に意見交換をすることができました。
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3月19日 長崎大学学位記授与式(長崎)

修士課程から指導していた小野拓也君(長崎大学)がこのたび晴れて学位を取得することになり、その授与式に参加しました。私の研究室に来たころに比べて長足の進歩を遂げた小野君は、この春から企業の研究者として活躍します。同じバイオの分野ということで、またどこかで一緒に研究することもあるでしょう。
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3月15日 大野君送別会(東京)

東京バイオテクノロジー専門学校から研修に来ていた大野君がこのたび卒業することになりました。大野君は細胞の培養からプロテオーム解析までさまざま実験を学びました。全自動二次元電気泳動を用いた解析ではタンパク質の精製から画像解析そして統計解析まで担当し、その結果を論文にまとめているところです。4月からは企業の研究所で活躍します。どこかでまた一緒に研究できるといいですね。
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2月9-10日 第7回日本サルコーマ治療研究学会(名古屋)

第7回日本サルコーマ治療研究学会学術集会(JSTAR2024、名古屋国際会議場)に参加しました。二日目午前のセッションでは近藤ラボより岩田秀平先生が「軟部肉腫のプロテオーム解析のランドスケープ」、野口玲先生が「骨巨細胞腫の治療開発のための薬剤同定:患者由来肉腫モデルとマルチオミクス解析を用いて」と題して講演をし、私が同セッションの座長を務めました。岩田先生はこのたびの発表で、「優秀演題賞」を受賞されました。名古屋はおいしいものがたくさんあり(味噌おでん、味噌かつ、台湾そば、手羽先、モーニングなど)、知的好奇心だけでなく胃袋も十分に満たされた有意義な出張でした。

2月3日 (東京)

東京バイオテクノロジー専門学校の「学外卒業研究発表会」に出席しました。発表会では大野裕翔君がポスター発表をしました。10年以上前から近藤ラボには同専門学校から毎年実習生が来ており、8名の実習生が実験技術を習得し就職されています。大野君は「統一されたタンパク質抽出法と全自動二次元電気泳動装置を用いたマウス臓器の再現性良いプロテオームの解析:プロトコールの標準化に向けて」と題する演題での発表でした。たくさんの質問にてきぱきと答えており、成長したものだと感慨深いものがありました。
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集合写真。左から、小野拓也君、大野裕翔君、私

1月11日 Cell Line in The 21st Century(ローザンヌ、スイス)

Lausanne Universityにて開催された「Cell Line in The 21st Century」にて「Patient-derived sarcoma cell lines for pharmaco-proteogenomics」と題して講演しました。本シンポジウムは、世界最大の細胞株データベース「Cellosaurus」を構築するAmos Bairoch教授(Swiss Institute Bioinformatics)が企画されたものです。AmosさんはSwiss-Protを開発した研究者としてプロテオミクスの分野ではもっとも著名な研究者の一人です。Amosさんも私もプロテオミクスから細胞株に興味をもつようになり、興味の方向性は違うものの大胆に分野を横断して活躍するところは共通していると思いました。
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