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がん対策の立案・評価に関する調査・研究がん対策を支える基盤

がん登録推進法に基づき、国内外の関係機関と連携し、正確かつ国際比較可能ながん統計情報の作成・発信を行っています。
また、患者・家族・遺族の視点を踏まえた医療の質の評価に必要な基礎データの収集・解析を通じて、医療体制や臨床現場の課題解決に向けた情報共有や政策提言を行っています。

がん対策を策定、立案するための基礎データ作り

「がん登録」とは?

がん登録のしくみ

がんと診断、治療された患者さんがどのような経過をたどったか、その状況を登録・把握し、分析する仕組みで、がんの罹患数、生存率、治療効果など、がん対策の基礎となるデータを把握するために必要なものです。 がん対策を推進するために、正確ながんの実態把握が必要なため、その役割を果たしているのが「がん登録」になります。

がん登録推進法に基づき、がん登録の標準化と精度向上を推進するとともに、正確かつ国際比較可能ながん統計情報の迅速な作成に取り組んでいます。
また、他の医療情報や統計との連携によりデータの有用性を高め、簡便な手続きで安全に情報を利活用できる環境の整備を進めています。

がん登録センターの活動

1.がん登録の標準化と精度向上を推進

がん対策に必要ながんの実態把握のためには、高い精度で標準化されたがん登録を行う必要があります。 正確で国際的に比較可能な罹患率と生存率を算出するために、がん登録の手順を標準化し精度を向上させます。

2.がん登録を担う人材の育成

がん登録を高い精度で実施するためには、正確な知識と経験をもつがん登録実務者が必要です。 がん登録実務者のためのテキスト作成、研修会の開催、資格認定試験の実施などを通じて人材育成に努めます。

3.国民にわかりやすいがんの統計情報を発信

がん登録で収集したデータをもとに、がんの死亡、罹患、生存率について、正確な統計情報を整備します。 がんの統計情報を誰もが適切に解釈できるように、わかりやすい説明を添えて提供します。

4.がん対策の立案と評価に利用できる統計情報の提供

がんの予防、早期発見、診断、治療、緩和ケアなどに関する統計情報を幅広く収集します。 がんに関する統計情報を総合的に分析することにより、がん対策の立案と評価に役立つ情報を整備します。

これからのがん登録

これからのがん登録

がん登録によって把握される情報は限られていますが、その網羅性から、がんという疾患の偏りのない基礎データとなります。 先進諸国においては、がん登録情報を幹として、そこに様々なデータベースを連結することで、がん研究が進められています。 日本においても、NDBを初めとしたデータベースとの連結が実現に向けて検討されています。

がん対策を策定、立案するための調査・研究

患者体験調査

がん対策の進捗を把握するため、全国的な患者体験調査を実施しています。体験者の声を今後のがん対策に反映させ、がん対策の推進を支えます。調査結果はウェブサイトで公開しています。

遺族調査

遺族調査2023

人生の最終段階で利用した医療や療養生活の実態を明らかにするため、患者の遺族を対象とする全国的な遺族調査を実施しています。遺族の声を今後の医療や療養環境の改善に繋げます。調査結果はウェブサイトで公開しています。

「遺族調査」の詳細・最新の調査結果はこちら

がん対策を社会に届ける 実装科学研究

がん予防や治療に効果があると証明された対策を、実際に社会の中で広く活用するには、現場の課題を理解し、どのように取り入れるかを明らかにすることが不可欠です。
私たちは、患者・市民・医療者・地域社会と協働しながら、科学的根拠に基づいた対策を公平かつ持続可能な形で実現するための「実装科学研究」に取り組んでいます。

エビデンスに基づく介入を全国に届ける実装研究 職域喫煙対策

喫煙は、日本人のがんおよび死亡の最大の予防可能なリスク要因です。
私たちは、職場の経営層への働きかけや健診現場での支援を通じて、科学的根拠に基づいた喫煙対策を効果的に実施する方法を探る実装研究を進めています。全国規模での介入を目指し、職域から健康づくりを支えます。

健康格差のない社会へ
健康格差是正のための実装科学ナショナルセンターコンソーシアム N-EQUITY

N-EQUITY は、共同研究を行う際のハブとなり、疾患横断的な実装科学研究を推進します。 これにより、エビデンスに基づく介入法を実社会に根付かせる方法(実装戦略)を開発・検証し、健康寿命の延伸、健康格差解消を目指しています。

エビデンスに基づく がん対策の提案

がん統計の分析や対策の立案・評価を通じて、科学的根拠に基づいた政策提言を行っています。
国内外の知見を活かし、より効果的ながん予防・管理体制の構築を目指します。

HPV関連がん予防の情報発信
子宮頸がんとその他のヒトパピローマウイルス(HPV)関連がんの予防

子宮頸がんをはじめとするヒトパピローマウイルス(HPV)関連がんの予防に向けて、科学的根拠と国際的な事例をまとめた「子宮頸がんとその他のヒトパピローマウイルス(HPV)関連がんの予防ファクトシート2023」を作成しました。
また、一般の方にもわかりやすく伝えるためのリーフレット「知ってください ヒトパピローマウイルス(HPV)と子宮頸がんのこと」も公開しています。

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大腸がんに関する知見と今後の方策をまとめた
大腸がんファクトシート2024

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大腸がんは日本で一番罹患する人が多いがんで、将来推計では急激な高齢化の影響から、さらなる増加が見込まれています。その原因のひとつとして、対策型検診である便潜血検査が、同様の検診を行っている他国と比較して、十分な効果が発揮されていない点が挙げられます。
この状況を変えるべく、大腸がんに関する知見と今後の方策をまとめた「大腸がんファクトシート2024」を作成しました。

大腸がんファクトシート プロジェクトページ
大腸がんファクトシート2024(WEBページ)

医療制度の最適化へ ヘルスサービスリサーチ

新しい医療技術がすべての患者さんに届くためには、制度や提供体制の整備が不可欠です。
ヘルスサービスリサーチでは、大規模リアルワールドデータを活用し、臨床現場や政策に役立つエビデンスを提供しています。

がん地理情報システム 地域別データを可視化

市区町村ごとのがん統計データを地図で閲覧できる「がん地理情報システム」を運営しています。
がん死亡率や喫煙率などのデータを地図表示・ダウンロード可能で、地域の健康課題の把握に役立ちます。

がん地理情報

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