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遺伝子治療の可能性を広げる「HSVアンプリコンベクター」の高効率産生技術を開発産生効率を100倍以上にして実用化を加速

2026年9月16日
国立研究開発法人産業技術総合研究所
国立研究開発法人国立がん研究センター

ポイント

  • 安全性に配慮した大容量遺伝子搭載能力を持つウイルスベクター「HSVアンプリコンベクター」の新たな製造技術を開発
  • HSVゲノムを染色体外DNAとして長期安定的に保持しつつ、増殖可能なベクター産生細胞株を構築し、従来法と比較して100倍以上という高い産生効率を達成
  • 大型遺伝子や複数遺伝子に起因する遺伝子治療法の開発を加速
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概要

国立研究開発法人産業技術総合研究所(以下「産総研」という)細胞分子工学研究部門 前田 史雄 主任研究員らと、国立研究開発法人国立がん研究センター研究所 プロテオーム解析部門 足達 俊吾 部門長は共同で、単純ヘルペスウイルス(Herpes Simplex Virus, HSV)アンプリコンベクターの高効率産生技術「EASY-HSV」を開発しました。
ウイルスベクターは、ウイルスが遺伝子を細胞へ運ぶ能力を利用し、治療用遺伝子を目的細胞へ送り込むことが可能で、遺伝子疾患の治療に用いられています。HSVアンプリコンベクターはレンチウイルスベクターやアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターなど他のウイルスベクターでは搭載しきれない巨大な遺伝子や複数遺伝子を運ぶことができるため、複雑な遺伝子治療やゲノム編集ツールの一括送達を可能とするプラットフォームとして注目されています。しかし、培養細胞からウイルスベクターを得る「ベクター産生」に必要なHSVゲノムが巨大であるため細胞への導入効率が極めて低く、研究室レベルでの少量産生はできても産業向けの大量製造が困難であったことから、臨床応用には至っていません。
本研究では、HSVゲノムを細胞内に染色体外DNAとして安定的に保持したまま増殖可能なHEK293細胞株の樹立に成功し、この細胞株を用いたベクター産生技術「EASY-HSV(Efficient And Simple high-Yield Herpes Simplex Virus)ベクターシステム」を開発しました。従来法では導入効率が低い巨大HSVゲノムがすでに保持された細胞株を用いるため、細胞あたりのベクター産生量(産生効率)は従来法の約100倍に向上しました。本成果は、HSVアンプリコンベクターの大量製造を可能にし、将来的な臨床応用や新たな遺伝子治療法の開発を加速する重要な基盤技術となりうるものです。
なお、この技術の詳細は、2026年8月31日に「Molecular Therapy Advances」にオンライン掲載されました。

論文情報

掲載誌

Molecular Therapy Advances

論文タイトル

Development of the “EASY-HSV (Efficient And Simple high-Yield Herpes Simplex Virus) system” based on HSV-1 genome-maintaining 293 cells

著者

Fumio Maeda, Moeka Nobe, Kenichiro Imai, Shungo Adachi and Tohru Natsume

DOI

https://doi.org/10.1016/j.omta.2026.201829(外部サイトにリンクします)

掲載日

2026年8月31日

詳細

詳細は産業技術総合研究所のホームぺ―ジ(外部サイトにリンクします)をご覧ください。

問い合わせ先

広報窓口

国立研究開発法人国立がん研究センター
企画戦略局 広報企画室
電話:03-3542-2511(代表)
Eメール:ncc-admin●ncc.go.jp

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