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腹腔鏡(ふくくうきょう)手術について

  1. 腎がんに対する腹腔鏡下根治的腎摘除術
  2. 腎盂・尿管がんに対する腹腔鏡下腎尿管全摘除術
  3. 精巣がんに対する腹腔鏡下後腹膜リンパ節郭清術
  4. 副腎腫瘍に対する腹腔鏡下副腎摘除術

腹腔鏡手術とは

腹腔鏡手術では、腹部に5-12mm程度の小さな切開(穴)をあけて(手術の種類によって3から5か所程度)、内視鏡や手術のための鉗子(かんし)やハサミを挿入するための筒(ポート)を挿入します。お腹をCO2ガス(炭酸ガス)で膨らませ(気腹)、ポートから挿入した内視鏡により腹腔内(術野)の状態をモニターに映し出します。術者は、モニターを見ながら、他のポートから挿入した手術道具(鉗子やハサミ)により手術を行います。最後に切除した臓器を小穴より摘出し終了します。

腹腔鏡手術のイラスト

メリット

CO2の気腹により静脈性の出血が抑えられるため、出血量が少なく、内視鏡による拡大視野により、丁寧で安全な手術が可能となります。小さな傷跡で術後の痛みも少なく、美容の点においても優れています。また術後の回復が早く、早期退院、早期社会復帰が可能です。

対象疾患

当科では腎がん腎盂・尿管がん、副腎腫瘍などの特に早期がんにおいて従来の開腹手術に代わり腹腔鏡手術を行っています。

腎がんに対する腹腔鏡下根治的腎摘除術

腎がんの根治的摘除術は腹腔鏡手術で行っています。腫瘍が大きい場合腫や周囲に進行している場合は開腹手術が必要となります。従来の開腹手術と比較すると腹腔鏡手術では非常に小さな傷で、出血も少なく手術が可能です。

腎動脈、静脈、尿管を切断し、腎臓の周囲脂肪を付けた状態で腎臓を摘出します。このとき、ポートの一部を 5から7cm に広げてその創部から、腎臓を袋に入れた状態で取り出します。

腎盂尿管がんに対する腹腔鏡下腎尿管全摘除術

腎盂がんまたは尿管がんに対する摘除術も腹腔鏡手術を行っています。基本的には腎がんの摘除術と同様の手技で行います。膀胱の一部を含めた尿管の摘除も行いますので、下腹部に腎臓と尿管を摘出する切開創が追加されます。

精巣がんに対する腹腔鏡下後腹膜リンパ節郭清術

後腹膜リンパ節転移を有する精巣がんに対するリンパ節郭清術も適応症例に対し腹腔鏡手術を行っています。リンパ節を大血管(腹部大動脈や下大静脈)から剥離して内視鏡ポートから摘出します。術式の適応は治療状況によって異なりますが、基本的はステージII以下となります。ただしステージIIは化学療法後の残存腫瘤の状況や、組織型(セミノーマ または 非セミノーマ)によって術式の適応を判定しますので、主治医にご相談ください。

副腎腫瘍に対する腹腔鏡下副腎摘除術

副腎腫瘍に対しても原則として腹腔鏡手術を行っています。原発性の副腎腫瘍だけでなく、ごく一部の悪性腫瘍や転移性副腎腫瘍(他臓器原発がんが副腎へ転移したもの)等に対しても適応としております。腫瘍径などで術式選択を決定しますので、ご相談ください。

更新日:2023年01月19日