コンテンツにジャンプ
社会と健康研究センター

トップページ > 各部の紹介 > 行動科学・サバイバーシップ研究グループ > 行動科学研究部

行動科学研究部

研究活動

2020年4月、国立がん研究センターに初めて行動科学を扱う研究部が立ち上がりました。がん診療の技術革新や薬物開発には目覚ましい発展がありますが、がん予防、早期発見、診断、治療、サバイバーシップケアに至るすべての診療活動には人の行動が深く関わっているにもかかわらず、これまで基盤となる行動を扱う部門がありませんでした。全国の大学医学教育コアカリキュラムにおいてもようやく行動科学、行動医学は取り上げられはじめたところです。

第一の目的は、個人に合わせた行動介入法を開発し、新たにエビデンスを創り出すことです。少子高齢化、しかも成熟した社会で、健康寿命の延伸を目指し人の行動を継続して変化に導くには、健康やお金といった基本的な強化因子に加え、個人の目標、意向、利他の価値観など心理・社会的因子が鍵になると考えています。対話を通して個々人の多様性に合わせた効果的な行動介入法を開発していきます。

第二の目的は、エビデンスのある精密な行動介入法を全国に、確実に、しかも早く根付かせる方法の開発です。実装科学という新領域です。保健医療へのアクセスが難しい方や医療資源の少ないコミュニテイーに行動介入法を根付かせていきます。これは、まさに医療の原点でもあります。

本研究部の理念は、ケアの臨床開発グループである、J-SUPPORT:日本がん支持療法研究グループの基本理念と共通しています(2016.2.19.設立)。

  • オールジャパン体制
    既存組織に縛られず一方で日本のリソースすべてを動員する。
  • 効率化
    小規模研究をコンセプト段階で橋渡しによって最適化する。
  • 協調
    既存の研究グループと協調し個々の利害に陥ることなく確実な成果につなげ全国の患者・家族のために汗を流すことを惜しまない。
  • 対話と多様性
    地域、グループ、施設や職種の違いを尊重して関係者間の対話を重ね、支持療法開発のために最大限の努力を払う。

本研究部の設立により社会医学系研究者のコラボレーションの花が開き、日本オリジナル、世界水準の結果により健康寿命の延伸、格差是正をもたらし、更なる利他活動によりアジアや世界に展開する行動科学のハブになればと願います。

行動科学研究室

行動科学研究室では、患者さん、ご家族、医療者などがん医療を取り巻く人の心身の健康を改善、向上することを目的に、医療情報やケアの提供方法の開発を行っています。

その手法として、介入、調査、実験など行動科学的なアプローチを用いています。行動科学とは、科学的に人間の行動を観察し、行動変容に伴う変化を測定することで、その規則性を見究め、現象を把握するための学問です。

当研究室は、早稲田大学人間科学学術院臨床心理学研究領域の連携大学院であり、学生指導の一環として、行動科学セミナー、行動科学研究会を定期的に開催しています。

実装科学研究室

実装科学implementation scienceとは、学際的なアプローチにより、患者、保健医療従事者、組織、地域などのステークホルダーと協働しながら、エビデンスに基づく介入(evidence-based intervention、EBI)を、効果的、効率的に日常の保健医療福祉活動に組み込み、定着させる方法を開発、検証し、知識体系を構築する学問領域です(D&I科学研究会[RADISH])。

実装科学研究室では、実装科学の方法論に基づき、予防・検診から支持療法、緩和ケアに至るEBIの普及と実装を「どのようにすれば進められるか」についてのエビデンスづくりを行っています。