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研究プロジェクト

アジア諸国のがん政策研究と共通がん対策の提唱

アジアがんセンター協議会(ANCCA)(外部サイトにリンクします)の事務局運営を行い、加盟17カ国の国立がんセンターとの国際研究基盤整備をすると共に、各国のがん医療制度やがん対策の進捗を調査比較分析している。分析結果に加えて、国際がん研究機関(IARC)(外部サイトにリンクします)と予防研究部と共にAsian Code against Cancerのプロジェクトを進め、根拠に基づいたアジア共通のがん対策の策定を目指している。

アジア諸国でのがん登録整備とがん罹患推計

IARCの指定するコラボレーティングセンターとしてGlobal Initiative for Cancer Registry development (GICR)(外部サイトにリンクします)計画に参画し、がん登録・統計のルールの標準化を行っている。また、Vital Strategies(外部サイトにリンクします)とMOUを締結し、インドネシア、カンボジア、フィリピン、ベトナム、ミャンマー、ラオス等を対象として、標準的なルールの普及をすると共に、こうした地域でのがん罹患の推計を統計モデルを利用して実施している。

アジアでの希少がん負担の推計と臨床試験との連携

Rare Cancers Asiaの枠組で、韓国、台湾、タイ、マレーシア、インドとRARECAREnet Asia計画を立ち上げ、小児がんを含む希少がん負担(罹患・生存・有病)の推計を行っている。また、中央病院国際開発部門の展開するアジア圏での臨床試験基盤整備ATLASプロジェクトとの連携を実施している。

住民ベースのがん統計を起点とした臨床研究

IARC及びオランダIKNL(外部サイトにリンクします)と共同で、住民ベース(Population-base)のがん統計を起点としたがん患者の長期フォローアップ研究を実施している。実施にあたって、コホート研究部住民コホート研究室主導で、IARCとの共同セクション(外部サイトにリンクします)を設立し、がん患者の診断前後の生活習慣と予後との関連を分析する研究をすすめている。

小児がん病期の標準化と生存率推計及び統計基盤の整備

オーストラリアのCancer Council Queenslandを中心としたグループによって提案され、国際標準と認識されているトロント小児がん病期分類を、我が国のデータに当てはめ、イタリアや英国と共同で生存解析(BENCHISTA研究(外部サイトにリンクします))を行っている。またWHOの進めるGlobal Initiative for Childhood Cancer(外部サイトにリンクします)に参画し、米国セントジュード小児研究病院と共に小児がん統計基盤の整備に関わっている。

個別情報の交換を伴わないデータシェア方法の開発

昨今の世界での個人情報保護の厳格化を見据え、とりわけ国際共同研究において、巨大なデータベースを構築することから、個別情報を交換せずに仮想的なデータシェアをする方法(Vantage6)にシフトすることを検討し、オランダIKNLと開発を進めている。

がん研究や対策への患者・市民参画についての国際比較

がん研究やがん対策への患者・市民参画(PPI)が推進される中、PPIの実現度を定量化し、さらに諸外国と比較して、我が国の状況を評価する試みをしている。日本希少がん患者会ネットワーク(外部サイトにリンクします)らと協力し、希少がん患者のニーズ調査を実施して、国際比較している。