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PARP阻害薬と免疫療法の併用による相乗効果を臨床試験で検証―基礎研究で期待された相乗効果の再考につながる知見―

2026年11月6日
国立研究開発法人国立がん研究センター

国立がん研究センター東病院(病院長:土井 俊彦)は、国立病院機構四国がんセンター、久留米大学と共同で、HRD(相同組換え修復欠損)陽性の進行卵巣がん患者さんを対象に、PARP阻害薬オラパリブの単独療法と、免疫チェックポイント阻害薬ペムブロリズマブとの併用療法を術前に評価する医師主導治験を実施しました。

PARP阻害薬には、がん細胞のDNA修復を妨げるとともに、がんに対する免疫反応を高め、免疫チェックポイント阻害薬と組み合わせることでさらに高い治療効果が得られる可能性が基礎研究で示されてきました。しかし、実際の患者さんのがん組織で同様の変化が起こるかは十分に分かっていませんでした。

本臨床試験には、オラパリブ単独療法群10例、併用療法群20例の計30例が登録されました。本臨床試験は、基礎研究で期待されていた相乗効果を臨床で検証したものです。がんの縮小が確認された割合は単独療法群で50.0%、併用療法群で70.0%でしたが、両群間に明確な差は認められませんでした。腫瘍検体の解析では、基礎研究で期待されていたPARP阻害薬単独による明確な免疫活性化は確認されませんでした。併用療法では免疫細胞の増加がみられたものの、治療効果の明確な上乗せは認められませんでした。

現在の標準治療は、手術と抗がん剤治療を行った後に、再発を防ぐ目的でオラパリブなどのPARP阻害薬を使用する維持療法です。本臨床試験は30例のパイロット試験であり、本結果のみをもってオラパリブと免疫療法の併用療法を推奨するものではありません。基礎研究で期待されていた相乗効果は実際の患者さんでは明確には確認されず、その仕組みや効果について改めて検証する必要性が示されました。

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図:PARP阻害薬と免疫療法の効果

論文情報

Clinical Cancer Research(2026年10月15日掲載)
Neoadjuvant olaparib and pembrolizumab combination therapy in the treatment of patients with HRD-positive advanced ovarian cancer: A pilot study
DOI:10.1158/1078-0432.CCR-25-4887(外部サイトにリンクします)

お問い合わせ先

研究について:国立がん研究センター 東病院 腫瘍内科 原野 謙一
電話番号:04-7133-1111(代表)Eメール:kharano●east.ncc.go.jp

広報窓口:国立がん研究センター 企画戦略局 広報企画室
電話番号:04-7133-1111(代表)Eメール:ncc-admin●ncc.go.jp 

 


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