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直腸がん局所再発に関するコンサルテーションについて

直腸がん局所再発に関するコンサルテーションについて(医療関係者向け)

  直腸がん治癒切除後の初発再発部位別の頻度は、骨盤内に再発する局所が9.6%、肺が7.5%、肝が7.3%であり、局所再発の頻度が高いことが直腸癌の特徴です。直腸がん局所再発は外科的切除(手術)によって根治が期待できるため、本邦および欧米のガイドラインにも、R0切除(がん組織の遺残のない切除)が可能な局所再発に対しては切除(手術)することが推奨されています。しかし、切除後の5年生存割合は約28~54%と、切除不能であった場合の5年生存割合がほぼ0%であるのに比べると切除による予後向上は認められるものの、いまだ外科的切除の治療成績は十分とは言えず、難治性がんの1つと考えられています。

  難治性がんである直腸がん局所再発は診断・治療が難しく、手術の難易度が高い上に切除可能か否かの判断には高い専門性と経験が必要とされることから、切除可能な病変であっても施設によっては切除が困難と判断され、患者さんが根治の機会を得られないこともしばしばあります。一方、高い専門性を持った医師は限られているため、とくに遠隔地から専門医に相談するのは容易ではありません。このことから、直腸がん局所再発の患者さんをできるだけ切除により根治させるためには遠方からでも同領域の専門医に安全かつ容易にコンサルトしやすい環境の構築が必要と考えました。

  そこで今回、Webによる診療情報交換システム「CONNECT-LR」(株式会社ファインデックス)を用いた遠隔コンサルテーションシステムを運用し、日本国内の医師ならどなたでも直腸がん局所再発の診断や治療に関するコンサルテーションを治療経験豊富な医師に安全かつ容易におこなえるような環境を作りました。これによって、直腸がん局所再発の治療成績が少しでも向上すればと考えております。(コンサルト可能な専門医はCONNECT-LRのトップページに記載されています)

  全国の医師はCONNECT-LRを用いて経験豊富な医師に無料で相談することができ、直腸がん局所再発の診断や治療方針(切除可能か否かを中心に)に関する助言を受けられるとともに、切除が必要な場合にはコンサルタントの所属する病院やその他の全国の中核病院への受け入れに関する相談もおこなうことが可能です。直腸がん局所再発の診断に迷う場合、切除可能か否か判断に迷う場合、切除可能と思われるが自施設での切除は難しいので切除できる施設を探したい場合などに本システムを是非ご利用ください。

 本システムを積極的に活用いただき、少しでも多くの患者さんの治療成績向上につなげていただきたいと思います。システムの利用に関する詳細は下記CONNECT-LRのトップページ(https://connect-lr.net/  外部サイトへリンクします)をご参照ください。

直腸がん局所再発に関するコンサルテーションについて(患者さん向け)

 直腸がん局所再発とは、直腸がんに対する手術のあとに再びがんが取った部分の近く(骨盤内)に再発してしまった状態です。直腸がん術後の局所再発の頻度は9.6%と報告されており、肺(7.5%)や肝臓(7.3%)への再発に比べて局所再発の頻度が高いことが直腸がんの特徴です。直腸がん局所再発は手術で完全の取り除くことができれば根治(治癒)が期待できるため、我々の施設でも手術可能な直腸がん局所再発に対して積極的に手術をおこない根治を目指しています。

  しかし、直腸がん局所再発の診断や治療には高い専門性と経験・技術が必要です。特に、手術が可能か否かの判断は難しく、実際は手術が可能であっても手術困難と判断され、患者さんが根治の機会を得られないこともあります。また、直腸がん局所再発の専門医は限られているため、誰でも専門医に相談できるわけではありません。

  そこで、今回我々は、たとえ遠隔地の医師であっても専門医に安全かつ容易に直腸がん局所再発に関する相談ができるように、 Webによる診療情報交換システム「CONNECT-LR」(株式会社ファインデックス)を用いた遠隔コンサルテーションシステムの運用を開始しました。このシステムを利用することで、直腸がん局所再発に関する診断・治療・手術可能施設などの相談をWebを用いて専門医におこなうことができます。全国の医師にこのシステムを広く利用していただくことで、より多くの患者さんの診療の参考にしていただければ幸いです。

  このシステムは医師しか利用できませんので、ご自分のことを専門医に相談したい場合は、ご自分の担当医と本システム(CONNECT-LR)の利用についてご相談ください。また、本システムは直腸がん局所再発に関する相談のみを受け付けておりますことをご了承ください。

  本システムの運用を通じて、より多くの直腸がん局所再発の患者さんの治療がうまくいくことを願っています。

更新日:2020年2月7日