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陰茎がん

  1. 陰茎がん
  2. 症状
  3. 診断
  4. 病期(ステージ)
  5. 治療について

陰茎がん

陰茎がんは陰茎の亀頭、包皮などに好発する悪性腫瘍です。頻度は人口10万人あたり0.4から0.5人程度で、60歳以上の方に好発します。包茎、ヒトパピローマウイルス、喫煙などが発症に関連していると言われています。

ときに性感染症との鑑別が必要になります。尖圭(せんけい)コンジローマも陰茎にできる腫瘍ですが、良性腫瘍であり悪性化は稀です。梅毒(ばいどく)による硬性下疳(こうせいげかん)は、血液検査と病歴を参考に診断します。

臓器の画像

症状

初期症状は亀頭や包皮の腫瘤(カリフラワー状)、びらん、潰瘍形成などです。通常、痛みなどは伴わないため、包茎の場合は症状の自覚が遅れることもあり注意が必要です。感染をおこせば排膿することもあります。

診断

視診、触診

まず視診および触診を行います。上の項目でも記したとおり、腫瘤(カリフラワー状)、びらん、潰瘍形成などが特徴的な所見です。

進行すると鼠経(そけい)リンパ節転移が生じるため、鼠径部に腫大したリンパ節が触れるかを確認します。炎症でも腫大することがあり注意を要します。

病理組織検査

生検と呼ばれる腫瘍組織の一部を採取する検査で、顕微鏡で組織診断を行います。

画像検査

原発部位(腫瘍のある部位)の浸潤の程度を判断するためMRI検査を、リンパ節や遠隔転移の評価のためCT検査を行います。必要に応じてPET-CT検査も行い総合的に判断します。

病期(ステージ)

まず病期は、TNM分類に基づいて判断されるのが一般的です。

TNM分類

陰茎がんの進行度によって病期(ステージ)が決まります。

ステージ

治療について

病期の進行度により治療方針を決定します。
当科は主に外科的治療(手術)を担当します。遠隔転移が認められる場合は腫瘍内科で全身治療(抗がん剤治療)を行います。初期の非常に限られた腫瘍の場合は放射線治療や抗がん剤軟膏による外用療法を行うこともあります。

  • 陰茎温存療法
    病巣が小さく浸潤を認めない場合、皮膚切除や放射線療法などで陰茎の温存が可能です。
  • 陰茎部分切断術
    浸潤を認める場合、陰茎切除を行います。亀頭や亀頭に近い部位の腫瘍の場合、陰茎部分切断の適応となります。部分切断後は立位での排尿が可能です。
  • 陰茎全切断術
    病変の部位や浸潤度によっては、陰茎全切断が必要になります。全切除後は尿の出口が会陰部(えいんぶ)に変更されるため、座位での排尿となります。
  • 鼠経リンパ節郭清(かくせい)
    リンパ節転移がある場合、鼠経リンパ節郭清を行うことがあります。

更新日:2021年6月18日