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ボトックス膀胱壁内注入療法

東病院 泌尿器・後腹膜腫瘍科は、患者さんの背景にあるQOL(Quality of Life:生活の質)を最大限に考慮した泌尿器がんの治療を常に意識しています。高齢の患者さんが多数を占める当科では、排尿障害、特に過活動膀胱(尿意切迫感を特徴とし、多くは頻尿と夜間頻尿を伴う病態)が、QOLを最も低下させる疾患であり、我々も日々苦慮しています。特に、前立腺癌治療(手術や放射線を含めて)を行う患者さん等においては、治療前後に薬剤抵抗性の過活動膀胱でお困りの場合が散見されます。
治療としては、従来、⽣活指導と内服薬・貼付薬が中心でしたが、改善が乏しい場合も多く、3ヵ⽉程度続けても症状改善が得られない場合に「難治性過活動膀胱(なんちせいかかつどうぶうこう)」と診断されます。

過活動膀胱

この難治性過活動膀胱に対する新しい治療法として、「ボトックス膀胱壁内注⼊療法」が2020年4月より保険治療として開始されました。当院においても、がんに関連する症状を包括的に治療するというコンセプトから、過活動膀胱の患者さん向けに、上記治療を導入しました。
「ボトックス膀胱壁内注⼊療法」は、難治性過活動膀胱に極めて有効な治療法として世界90ヵ国以上で既に認可されています。ボトックス注射は、眼瞼けいれん、顔面けいれん、痙性斜頸などで保険適用として広く施行されています。過活動膀胱、つまり膀胱のけいれんであるので、同様のメカニズムで効果があることは、ご理解いただけるかと思われます。

治療方法について

半身麻酔が効いた状態で内視鏡を膀胱内に挿入し、極細の注射針を用いて膀胱の筋肉内に20カ所程度、0.5MLずつ調整されたボトックス注射液を注入します。術中の痛みはほとんどありません。基本的には30分程度の時間で治療が可能です。
過活動膀胱に伴う尿失禁の治療でお困りの⽅、「ボトックス膀胱壁内注⼊療法」に興味のある⽅は、泌尿器・後腹膜腫瘍科のスタッフにお気軽にご相談ください。

ボトックス膀胱壁内注入

 

更新日:2021年10月13日