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がん患者さんのご家族や周囲の方へ
- がん患者さんは、がん自体や治療の影響で体の抵抗力が低下し、ウイルス・細菌・カビなどのさまざまな病原体による感染症にかかりやすくなります。また、がん患者さんではない方と比べて感染症を発症した場合に重症化するリスクも高まります。例えば、他の方にとってはただの風邪でも、がん患者さんにとっては重症化して命に関わることがあります。
- 免疫が低下しているがん患者さんが周囲にいらっしゃる場合には、患者さんの体調に配慮し、状況によって必要があれば掃除やペットの世話なども周囲の方のサポートをお願いします。
- また、本人からは言い出しにくいことがあります。その他以下のことについてぜひ周囲の方もご配慮ください。
体調管理について
がん患者さんの周囲の方も体調管理を行い、体調がすぐれない時にはがん患者さんと会うタイミングを再調整するなどの配慮をお願いします。もし同居家族などがん患者さんと接触がある方が水痘(帯状疱疹)やインフルエンザなどの感染症を発症してしまった場合には、がん患者さんにも情報を共有してください。がん患者さんは状況によって予防のための手段を講じる(病原体によって抗ウイルス薬などの薬剤投与やワクチン接種など)必要があるかもしれませんので、かかりつけの担当医とご相談いただくことをお勧めします。周囲の方が新型コロナウイルス感染症に罹患した場合、適切な感染対策を行なってがん患者さんへの感染を防ぐことに努めてください。(東京都保健医療局のホームページにある、東京iCDC専門家ボードの感染制御チームが作成された「自宅療養者向けハンドブック ~感染を拡げないために~(令和4年1月作成)」などもご参照ください。)
(https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/kansen/corona_portal/shien/zitakuryouyouhandbook.html 2024年10月25日最終確認)
手洗い・手の消毒やマスクについて
日頃からの手指衛生をお願いします(手指衛生の項目を参照)。マスクは、飛沫を出す側がつけると飛沫を受ける側のみがつけることよりも効果的であり、両方がつけるとより効果的です(マスクについての項目参照)。がん患者さんご本人からは言い出しにくいこともありますので、可能であれば周囲の方のご配慮もお願いいたします。特に咳などの症状があったり、体調に不安がある場合には、がん患者さんと接する時にはマスクを着用してください。
ワクチンについて

がん患者さん本人だけではなく、同居家族など周囲の方もインフルエンザワクチン接種を含めて感染対策に努めることでがん患者さんのインフルエンザ発症を減らす効果が期待されることから、米国臨床腫瘍学会や米国感染症学会のガイドラインでは、免疫不全者の家族にもインフルエンザワクチン接種を推奨しています[1][2]。新型コロナワクチンについてもアメリカがん協会などから、がん患者さんと密接に接する人へのワクチン接種推奨[3]がされています。がん患者さんを感染症から守るためにも、可能な範囲での周囲の方々の感染対策へのご理解・ご協力をお願いいたします。
<参考文献>
[1]米国臨床腫瘍学会、成人がん患者へのワクチンガイドライン
https://ascopubs.org/doi/full/10.1200/OP.24.00107?fbclid=IwAR3RqQwzPdpLFKwVtkIQEsgPd0gxv7VngX7Oa2VyFIvAC8GZ2ny9ieoRAqA&cmpid=ml_ascoorg_gdlns_vaccination_sno_facebook_all__glob_031824____aware_tex
[2]米国感染症学会、2013 IDSA clinical practice guideline for vaccination of the immunocompromised host, Clin Infect Dis. 2014; 58: 309-18.
[3]アメリカがん協会
https://www.cancer.org/cancer/managing-cancer/coronavirus-covid-19-and-cancer/questions-about-covid-19-and-cancer.html
がん患者さんのご家族について、感染症以外の情報はこちら
https://ganjoho.jp/public/qa_links/brochure/pdf/201.pdf