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当院で肺がん手術の際に心臓から分泌されるホルモン(ハンプ)を投与する臨床研究に参加された患者さんへ

2020年8月18日
国立がん研究センター東病院
病院長  大津 敦
呼吸器外科長 坪井 正博

日頃より当院での診療及び臨床研究にご理解、ご協力いただき心より感謝申し上げます。
さてこの度、肺がんまたは肺がん疑いと診断され、当院で手術を受けられた際にご協力いただいた臨床研究「非小細胞肺がん手術適応症例に対する周術期hANP(ハンプ)投与の多施設共同ランダム化第2相比較試験(JANP study)」に関連しまして、研究代表施設である大阪大学で重大な問題が発生したとの報告がありました。詳細は下記、大阪大学および国立循環器病研究センターのホームページ掲載情報をご参照ください。

この報告を受けまして、直ちに当院でこの臨床研究にご協力いただきました計59人の患者さんの治療経過をカルテで見直しました。その結果、実際にハンプが投与された患者さんは21人でしたが、それらの患者さんにハンプが原因と考えられる重い副作用の発生はカルテ上認められませんでした。

ハンプは、人の身体の中にもともと存在しており、急性心不全の治療薬として安全に広く使われています。ハンプの副作用として低血圧、不整脈、腎機能障害などが報告されていますが、ハンプは分単位で血液中から消失すること、この臨床研究で投与されたハンプの量は通常最初に使われる投与量の4分の1以下であることから、術後2年、3年の経過で手術の前後に投与したハンプが、体内に残っているとは考えられず、今後ハンプの副作用が新たに出現する可能性は極めて低いと考えています。

なお、この臨床研究にご協力いただいた患者さんには、当院より文書およびお電話にて順次ご連絡させていただいております。また当院外来を受診された際には、担当医よりあらためて、大阪大学から報告を受けた内容および経緯についてご説明させていただきます。

患者さんの健康状態、術後の経過観察については、当院の担当医がこれまで通り行ってまいります。また、当院といたしまして、今後も研究代表施設の大阪大学と連絡を取りながら、この臨床研究にご協力いただいた患者さんに不利益が生じないよう、責任をもって対応してまいります。

病状に関してご不明な点がございましたら、担当医までいつでもお問い合わせください。臨床研究については、大阪大学JANP study相談窓口に直接お問合せいただきますよう、お願いいたします。この度はご心配をおかけしますが何卒ご理解を賜りますようお願い申し上げます。

詳細情報

お問い合わせ先

臨床研究に関するお問い合わせ

大阪大学大学院医学系研究科呼吸器外科学 JANP study相談窓口
所在地:大阪府吹田市山田丘2番2号
電話番号:06-6816-8463(受付時間:9時~17時)
Eメールアドレス:janp@thoracic.med.osaka-u.ac.j(随時対応)

東病院で本臨床研究に参加された患者さん・ご家族からのお問い合わせ

国立がん研究センター東病院 呼吸器外科
電話番号:04-7133-1111(代表)(受付時間:平日9時~17時)

報道関係からのお問い合わせ

国立研究開発法人国立がん研究センター 企画戦略局 広報企画室(柏キャンパス)
電話番号:04-7133-1111(代表) 
Eメール:ncc-admin@ncc.go.jp

更新日:2020年8月18日