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特定臨床研究における重⼤な不適合事案のご報告と再発防⽌策について

2023年12月21日
国立がん研究センター東病院
病院⻑ 大津 敦

この度、国立がん研究センター東病院(以下、「当院」)において実施した特定臨床研究について、重大な不適合が判明いたしました。ここに謹んでお詫び申し上げますとともに、不適合の内容、原因、対応および再発防⽌策について公表いたします。

研究名称

肺尖部胸壁浸潤癌に対する化学放射線療法後の術前後デュルバルマブもしくはデュルバルマブ維持療法を併用した集学的治療に関する単群検証的試験

jRCT番号

jRCTs031190223

研究代表医師/研究責任医師

国立がん研究センター東病院 呼吸器外科 坪井正博

不適合の内容

適応外使用となる2コースの術前デュルバルマブ療法において、試験用の無償提供薬剤をオーダーするところを誤って通常の保険診療でのデュルバルマブ(当院採用品のイミフィンジ)を処方・投与し、患者さんから薬剤費の一部負担金の支払いがなされました。本試験は先進医療B制度下の厳密なプロトコールに基づいており、誤投与を防ぐためのチェック機構が機能せず、投与する薬剤(適応外薬と適応内薬)を誤って処方して、投与まで至ったことを重大と判断いたしました。

原因

術前デュルバルマブ投与は適応外であったところ、レジメン選択の情報共有不足で、担当医が誤って通常処方してしまったこと。また、薬剤部に登録情報は事前に共有されていたものの、明確な投与日の共有が無く処方状況を追うことが困難であったため、治験薬管理室と通院治療センターにおいて、その誤オーダーの処方をチェックできなかったことが原因として考えられます。

対応

投与された保険診療用デュルバルマブは、試験薬と同一成分、同一投与量であり患者さんへの影響はなく、その後の経過も問題ありません。患者さんが支払っていた薬剤費用は、全額返金されました。

再発防⽌策

患者さんが登録された時点で、研究補助員が電子カルテの患者掲示板に赤字太文字で「JCOG1807C(先進B)本登録患者の術前と術後のデュルバルマブは研究用の薬剤を処方すること」と記載します。また適応外薬は、本試験を熟知している医師(院内の当該研究事務局)が可能な限り処方し、投与日と処方内容が正しくなされているか研究助手がローカル支援室担当者と確認を行います。更に投与日が決定したら、呼吸器外科より薬剤部に情報提供を行い、薬剤部でオーダーの確認をし、誤処方ではないことを再確認します。


この度は、本研究にご参加いただいた患者さん、および本研究の関係者の皆様に重ねてお詫び申し上げます。

以上

更新日:2023年12月21日