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再発・転移を有する頭頸部扁平上皮がん
局所進行がんの一部では、根治的治療を行っても再発・転移をきたすことがあります。切除可能な再発には救済手術が検討されますが、多くは切除困難なため、薬物療法が選択されます。
免疫チェックポイント阻害薬(ICI)であるペムブロリズマブやニボルマブは、臨床試験で一定の有効性が報告されており、CPS(PD-L1発現)によって選択されることもあります。ペムブロリズマブまたは併用療法(カルボプラチン又はシスプラチン+5-FU)はCPS≧1でより効果が期待されることが示されており、国内外のガイドラインでも一次治療として位置づけられています。
当院での治療
当院では、腫瘍検体からCPSを測定し、ペムブロリズマブ単剤または併用療法(カルボプラチン又はシスプラチン+5-FU)、化学療法+セツキシマブを検討しています(図4)。また、腫瘍の進展状況や合併症、全身状態、患者の希望を踏まえて治療方針を決定しています。
ICI治療後には、PCE療法(タキソール+カルボプラチン+セツキシマブ)やPE療法(タキソール+セツキシマブ)が治療選択肢となり、一定の治療効果が報告されています。
なお、治療選択が尽きた場合は緩和ケアへの移行を検討しますが、全身状態が良好であれば新規治療薬の治験参加も考慮しています。
図4. 再発・転移を有する頭頸部扁平上皮がんの治療方針