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科長あいさつ

科長あいさつ

増田 均

泌尿器がんの治療は、この十数年で大きく進歩しました。ロボット支援手術による低侵襲化と精緻化に加え、薬物療法や放射線治療にも新たな選択肢が増え、進行がんであっても治療の可能性が広がっています。

私たちが大切にしているのは、一つの治療法にこだわるのではなく、患者さん一人ひとりにとって最もよい治療を追求することです。

早期がんでは、これまでに蓄積してきた経験を生かし、根治性と安全性、機能温存を重視した低侵襲手術を目指します。一方、進行がんでは、必要に応じて診療科の枠を越えた拡大手術にも取り組みます。さらに、診断時には切除が難しい場合でも、薬物療法や放射線治療によって病状が改善すれば、改めて根治を目指した手術の可能性を検討します。

このように、低侵襲治療から高難度の拡大手術、さらに治療を組み合わせた集学的アプローチまで、根治の可能性をできる限り追求することが、私たちの基本姿勢です。

そして、がんを治すことだけでなく、治療後の生活を支えることも私たちの重要な役割と考えています。泌尿器がんの治療では、排尿機能や性機能、腎機能などが生活の質に大きく関わります。当科では機能温存に努めるとともに、がん治療後に生じた尿失禁に対する外科的治療など、失われた機能を回復するための治療にも積極的に取り組んでいます。

国立がん研究センターには、現在の標準治療を高い水準で提供するだけでなく、次の治療を創る使命があります。当科でも、新しい手術手技や医療機器、新たな治療法の研究・開発を進め、その成果を患者さんへ還元していきたいと考えています。

これまでの経験と最新の知見をもとに、患者さん、ご家族と十分に話し合い、その方にとってのより良い治療を一緒に考えてまいります。
「ここで治療を受けてよかった」と思っていただける医療を提供すること。

そのために、スタッフ一同、より良い治療を追求してまいります。

国立がん研究センター東病院 泌尿器・後腹膜腫瘍科科長
増田 均

更新日:2026年8月24日