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前立腺がんに対する小線源治療(シード線源による前立腺永久挿入密封小線源治療)

転移を認めない前立腺がんの根治治療の一つとして放射線療法がおこなわれます。
放射線療法は主に「外照射」と「内照射」の2つに分けられます。外照射は体外から放射線を照射する方法です。内照射は放射線を出す線源を体内に留置、または専用の器具を臓器に挿入して治療を行います。
小線源治療(シード線源による前立腺永久挿入密封小線源治療)は内照射による治療方法で、放射線の線源(ヨウ素125線源)を永久的に前立腺内に留置することで根治を目指す治療です。日本では2003年7月に認可され、標準治療として普及しています。外照射と比べ、前立腺内に限局した照射が可能なため、周囲の臓器(直腸、膀胱、勃起神経など)に放射線が当たることによる有害事象が軽減され、治療後のQOL(Quality of life:生活の質)の維持が期待されます。

基本的には悪性度の低い局所前立腺がんが主な治療対象となります。限局性前立腺がんのなかでも悪性度の高いがんの場合は外照射を併用します。また、本治療による尿道周囲の線源の影響のため排尿障害が出現する場合がありますので、薬剤を一定期間内服して頂きます。
前立腺のサイズや形状で、小線源が必要充分に刺入できない場合は、治療適応外になることがあります。MRIを含めた画像を当科と放射線治療科で充分に検討します。

治療方法について

治療は3泊4日の入院で行います。治療当日は腰椎麻酔(下半身麻酔)を行い、事前計画に基づき泌尿器科医と放射線科医が連携しながら線源を留置します。

線源留置

x線写真

治療後は放射線管理区域の個室に移動し、翌日まで過ごしていただきます。体内から放出される放射線は治療後約60日で半減し、1年程度で無視できるほど小さくなりますが、その間は生活上の注意が必要となることがあります。

小線源療法後の局所再発時のロボット支援下救済前立腺全摘も当科では施行しています。

前立腺がんの治療法に迷われている方、小線源治療に興味のある⽅は、外来担当医にお気軽にお問い合わせください。泌尿器科、放射線科のどちらから受診されても、合同カンファランスで相談し、共同で治療を施行しますので、複数の主治医がいるとお考えください。

対象疾患

下記ページをご覧ください。

 

更新日:2022年1月18日