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抗菌薬について

ポイント
  • 感染症の早期治療のために発熱などがあった際どのように対応するか、事前に主治医と決めておくことが重要です。

 

抗菌薬は細菌感染の治療に使用される薬の一種です。体内に侵入した細菌を壊したり、増えるのを抑えたりする効果があります。
体にはウイルス・細菌・カビなどの様々な病原体が体に入ってきたときに白血球などが排除しようとする抵抗力があります。普段はこれらの体の抵抗力により病原体による感染症が抑えられていますが、がんの種類や治療によっては体の抵抗力が低下し、感染症にかかりやすくなることがあります。
体の抵抗力がどの程度低下するかはがんの種類や治療内容によって異なります。特に血液がんの患者さんや、固形がんでもがん薬物療法中の患者さんでは注意が必要です。体の抵抗力が低下している状態で感染症を引き起こすと症状が重症化しやすく、感染症が長引きやすい傾向があるため、抗菌薬による治療などの早急な対応が必要となります。[1]

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早期治療のために発熱などがあった際どのように対応するか、事前に主治医と決めておくことが重要です(病院に連絡する、近医を受診する、など)。
また、急性白血病の治療や造血幹細胞移植治療などのように長期間体の抵抗力が非常に低下することが想定される場合、感染症の予防として抗菌薬を使用することもあります。[2]

 

  • 抗菌薬は様々な種類があり、服用方法や服用期間が異なります。
  • 医師に指示された通り服用してください。症状が良くなってもまだ完全には感染症が治癒しておらず、原因菌が体に残っていることがあります。また、不適切、不十分な飲み方をすると、感染症が再発したり、抗菌薬が効かない細菌(薬剤耐性菌)を作ってしまう危険性が生じます。 [2][3]
  • 体の抵抗力が低下した方や高齢者が耐性菌による感染症を発症すると、治療が長引き、ときには死に至ることもあります。治療薬が限られるため、しばしば治療が難航します。[4]
  • がん薬物療法後の白血球数が少なくなる時期は、感染症のリスクが最も高くなる時期のひとつであるため、感染症の予防対策のほか、体調不良時の速やかな対応が必要となります。あらかじめ医師に白血球数が少なくなる時期や期間を確認し、体調不良時の対応について確認しておきましょう。[5]
  • 抗菌薬にアレルギーがある場合は医師や薬剤師へお伝えください。
  • 抗菌薬はウイルスやカビには効果がありません。[6]
  • 風邪の原因微生物の80~90%はウイルスであるため、風邪に抗菌薬は効果がありません。[7]


[1] がん情報サービス 感染しやすい・白血球減少~がんの治療を始める人に、始めた人に~
https://ganjoho.jp/public/support/condition/FN/index.html
[2] MD Anderson Cancer Center When should I take antibiotics? 7 questions, answered
https://www.mdanderson.org/cancerwise/when-should-i-take-antibiotics-cancer-treatment-7-questions-answered.h00-159619434.html
[3] AMR臨床リファレンスセンター 処方された抗菌薬は医師の指示通り服用しましょう
https://amr.ncgm.go.jp/general/1-6-2.html
[4] AMR臨床リファレンスセンター 医療現場での耐性菌増加
https://amr.ncgm.go.jp/general/1-3-1.html
[5]CDC  Watch Out for Fever
https://www.cdc.gov/cancer-preventing-infections/patients/fever.html
[6] AMR臨床リファレンスセンター 風邪に抗菌薬は効きません
https://amr.ncgm.go.jp/general/1-6-1.html
[7] 日本呼吸器学会 かぜ症候群
https://www.jrs.or.jp/citizen/disease/a/a-01.html

 

 

更新日:2025年10月31日