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国立がん研究センター 東病院

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ロボット手術について

ロボット手術とは

ロボット手術は腹腔鏡下手術のさらに進化した手術と捉えることができます。腹腔鏡下手術とほぼ同じ傷で手術を行い、腹腔鏡下手術と同様、細長い手術器械をロボットアームに固定します。このロボットアームは術者が“コンソール”と呼ばれる場所に座って操縦します(ロボットが自動的に手術をするわけではありません)。腹腔鏡下手術と比べて次のような長所、短所が挙げられます。

長所

  1. 細長い手術器械に手首のような関節機能があり、より細かい操作ができます。従って開腹手術や腹腔鏡手術では今まで届きにくかった部位にも到達し、よりきれいに切除できる可能性があります。
  2. 人間の手ではどうしても起こってしまう手振れが補正され、より正確な操作ができます。 開腹手術や腹腔鏡手術ではできないような繊細な操作が行えるので、術後の合併症(膵液漏:すいえきろうなど)を減らせたり、よりきれいな切除ができることが期待されています。

短所

  1. ロボットアームを介しているので手術器械の先端で触った感触が分かりません(触覚の欠如)。これを視覚で判断できるようになるには、十分な経験が必要です。
  2. 腹腔鏡下手術より手術時間が長くなる傾向があります(約0.5 - 1時間)。
  3.  手術中の出血などのトラブルが発生した場合の対処は、経験の浅い術者や施設では一般的に難しいとされています。

東病院胃外科におけるロボット手術について

国立がん研究センター東病院では、全国に先駆けて2014年6月にロボット支援胃がん手術を導入しました。当時は保険診療として認可されていない状況で、国内でも同手術を行っている施設は数施設しかありませんでした。2015年10月からは多施設臨床試験に参加し、先進医療としてロボット支援胃がん手術を行いました。その結果、2018年4月にロボット支援胃がん手術は国内で保険診療として認可されるに至りました。現在では、ロボット支援胃癌手術を導入し開始する施設が全国的に増加しています。

このように東病院胃外科のロボット手術は、長年にわたる確かな実績と豊富な経験に基づいて行われています。2022年5月には、アメリカ・ヒューストンで開催された国際胃癌学会2022(アメリカ・MDアンダーソン・キャンサーセンター)における「ロボット胃がん手術トレーニングコース」で木下科長がリモート参加によるインストラクターを務めました。

  • ロボット手術01
  • ロボット手術02

300例を超える国内有数の症例数

当院では最新式手術用ロボット(DaVinci Xiシステム)がさらに2台導入されています。東病院では、最新の設備だけでなく、経験豊富な術者とサポートチームが備わっており質の高いロボット支援手術を患者さんに提供できる体制が整っています。

2022年5月には、当院でのロボット支援胃がん手術の症例数が300例を超えました。これは国内あるいは国際的にも有数の症例数となります。幽門側胃切除から難易度の高い噴門側胃切除や胃全摘、食道胃接合部がんに対する手術まで多岐にわたる術式を経験しており、合併症発生割合は約1.8%と非常に良好な成績を残しています。

操作シーン