コンテンツにジャンプ

トップページ > 診療科・共通部門 > 外科系 > 頭頸部外科 > 診療と実績について > 東病院頭頸部外科の特徴

東病院頭頸部外科の特徴

頭頸部がんの専門家で構築されている診療チーム

経験豊富な外科医、薬物療法の専門家である頭頸部内科医、そして放射線診断医、放射線治療医など、頭頸部がんの専門家で診療チームが構築されています。治療中の合併症のリスクを減らすため早期から口腔ケアに注目しており、歯科医が治療前から治療後に至るまで対応します。

また、術後嚥下(えんげ)機能の低下した患者さんへは言語聴覚士による嚥下リハビリテーションを行っており、機能回復にも努めています。

1980年代から顕微鏡下血管吻合(ふんごう)を用いた遊離(ゆうり)組織移植の開発がされ、広範囲切除術後の機能、整容的な保持が可能となり、治療成績、術後のQOL(生活の質)が飛躍的に改善しました。東病院では術後の機能、整容面で重要な再建は、経験豊富な再建外科医(形成外科)が行っており、進行がん術後においても機能温存がなされているのが特色です。

機能温存手術の開発

喉頭がんや下咽頭がんの部分切除といった会話、嚥下機能を温存する機能温存手術の開発もおこなってきました。下咽頭や喉頭部分切除術は、これまで300例以上の症例数があります。

進行口腔がんや中咽頭がんの切除においては、下口唇(かこうしん)や下顎骨(かがくこつ)の切離をできるだけ避けることで根治性と同時に機能面、整容面にも配慮した切除を行っています。

また、頸部郭清術においても神経、筋、静脈を温存した保存的郭清を原則とし根治性と機能保持の両立を行っています。

内視鏡下切除による低侵襲手術

近年、内視鏡技術の進歩により、咽頭、喉頭のこれまで同定できなかった表在がん(上皮内にとどまる浅いがん)がみつかるようになってきました。これらの表在がんや早期のがんに対して消化管内視鏡科と協力し、内視鏡的咽喉頭手術を行っています。ELPS(イーエルピーエス/Endoscopic Laryngo Pharyngeal Surgery)と呼ばれ、内視鏡ガイド下に頭頸部外科医が切除する術式です。これにより従来外切開が必要であった早期の咽頭がん、喉頭がんにおいてより低侵襲な切除が可能となりました。年間100件以上の手術をおこなっております。

美容面に優れた術式の採用

新しい治療法の実施

当科では2021年1月より保険診療として認められている「光免疫療法(アルミノックス治療)」をおこなっております。アキャルックス®点滴静注とレーザー光照射を行う治療で、米国国立がん研究所(NCI)の小林久隆主任研究員の研究成果をもとに共同開発され、当科で国内第I相および第III相試験をおこなってきました。がん細胞の表面にあらわれるタンパク質に結合する薬剤(アキャルックス®)を投与し、医療機器を用いてレーザー光を当てることでアキャルックス®がこれに反応し、がん細胞を死滅させる治療法です。

アキャルックスについて作用機序

BioBladeレーザシステム

注:インターネットやメディアなどで取りあげられている光免疫療法”は、上記以外の治療に対しても使われている場合があります。当院で行っている「光免疫治療(アルミノックス治療)」と異なることがあります。

本治療の対象

『切除不能な局所進行又は局所再発の頭頸部癌』です。化学放射線療法等の標準的な治療が可能な場合にはそれらの治療を優先することが定められています。

『切除不能な局所進行又は局所再発の頭頸部癌』のうち、レーザー光を適切に照射できる方が対象となります。

根治手術が可能な方、放射線治療が可能な方は対象となりません。

頸動脈などの大血管に接する病変には施行することができません。

セツキシマブに対して重篤な過敏反応があった方は施行することができません。

楽天メディカル社ホームページ「アキャルックス®点滴静注とレーザー光照射による治療を受けられる患者さん・ご家族の皆さま」において、光免疫療法のスケジュール、注意すべき副作用、Q&A、サポート制度などについて紹介されていますのでご参照ください。(https://pts.rakuten-med.jp(外部サイトにリンクします))

更新日:2023年6月26日