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国立がん研究センター 東病院

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診療について

東病院泌尿器・後腹膜腫瘍科の特色は二点あります。

第一に泌尿器悪性腫瘍全般の診断と手術に特化した診療を行っていることです。
泌尿器悪性腫瘍の薬物治療については主として乳腺・腫瘍内科が担当しており、放射線治療については放射線治療科が担当しております。初めから手術以外の治療をご希望の場合は、後日再度お越しいただく場合もありますので、最初から該当科を受診した方が効率的です。治療に際しては関係各科が密に相談して方針を決定していますので安心して治療が受けられます。

第二に大腸外科と一緒のグループで診療にあたっていることです。
隣接臓器浸潤を有する骨盤内の悪性腫瘍全般に対する外科治療に対応できるようになっており、腸管を利用した尿路変更手術においても万全な体制がとれています。

診療疾患

腎(じん)がん

特に腎機能温存手術に力を入れております。最大限の腎機能温存を目指して、腎に直接流入する動脈を遮断することなく、腫瘍を少量の正常腎組織(マージン)を周囲に付けて切除する「無阻血腎部分切除」を積極的に行っております。最近3年で50例以上の腎部分切除を行っておりますが、腎阻血に至ったのは3例のみです。また、この「無阻血腎部分切除」の大部分を低侵襲手術(腹腔鏡下手術または腹腔鏡下小切開手術)で行っており、低侵襲手術完遂率は98%です。

腎盂(じんう)尿管がん

腎盂尿管がんに対する根治手術である腎尿管全摘除は開腹で行う場合、低侵襲手術(腹腔鏡下手術または腹腔鏡下小切開手術)で行う場合があり、これらは腫瘍の大きさ、リンパ節転移の有無などにより決定しています。手術に加えて化学療法が必要な場合は乳腺・腫瘍内科でより専門的な化学療法を受けることが可能です。

膀胱(ぼうこう)がん

膀胱全摘除が必要な場合であっても大腸外科と共同で診療にあたっている利点を最大限に生かし、安全確実な尿路変更を行っています。リンパ節転移を有する筋層浸潤性膀胱がんと診断された場合でもより専門分化された乳腺・腫瘍内科にて術前化学療法を行い、積極的に根治手術を目指しています。

前立腺がん

2014年より前立腺全摘除にロボット支援手術を導入しました。腹腔鏡手術のメリットとされる拡大視野および出血量減少に加えて、多関節鉗子によるさらなる手術精度向上が期待できる手術です。PSA監視療法(直ちに治療を開始せず、無治療で経過観察する治療選択肢)も患者さんの希望に合わせて多くの方に対して行っています。

その他泌尿器悪性腫瘍

精巣がん、陰茎がん、後腹膜腫瘍など頻度が低いがん(または肉腫)であっても関係各科と共同で診療にあたっています。

実績について

東病院泌尿器・後腹膜腫瘍科は、ロボット支援、腹腔鏡(ふくくうきょう)、ミニマム創の低侵襲手術を中心に手術を施行しています。一方、肉腫を含めた後腹膜腫瘍の拡大切除も行っています。経尿道的手術や、尿管ステント・腎瘻(じんろう)のような尿路閉塞に対する処置を行うのも当科の特徴です。

2018年度は、手術件数自体が大幅に増加しました(表1)。特に、ロボット支援前立腺全摘、腹腔鏡下腎部分切除が増加し、良好な手術成績をおさめています。また、新規手術としてロボット支援下膀胱全摘及び人工尿道括約筋(かつやくきん)手術を開始しました。後者に関しては、開始時より、近隣施設より多数の患者さんが紹介されています。
詳しくは、国立がん研究センター広報誌「日々歩No.22(2019年2月発行) がんを学ぼう 教えてドクター!(4から5ページ)」をご覧ください。

また、精巣がん、陰茎(いんけい)がんに対するリンパ節郭清(かくせい)を含めた集学的治療を乳腺・腫瘍内科(化学療法担当)と協力して行っています。東病院は、泌尿器がんに関する外科治療の充実に伴い、既に屈指のセンターとして機能している薬物、放射線治療部門と共同して、泌尿器がんに対して、隙間のない先進的治療を提供できるようになりました。
一方、大腸外科と共同で、骨盤の進行癌に対する拡大切除、機能温存手術に取り組んでいます。我々は、局所進行直腸がん手術時の前立腺合併切除、尿路再建(回腸導管及び回腸新膀胱造設、膀胱尿管新吻合)を担当しています。2018年も21例の合同手術を施行しました。

検査・処置 (表2)に関しては、当院が進行がんに対する薬物治療の中心的センターであり、腎機能温存、改善のための尿管ステント・腎瘻処置は、当科が行っております。

手術件数(表1)

 2016年度2017年度2018年度
経尿道的膀胱腫瘍切除  64 99  110
前立腺全摘除術  42  37  104
開腹手術  0  1  12
ロボット支援手術  42  36  92
根治的腎摘除  16  16  20
開腹手術  5  6  3
ミニマム創手術  1  0  0
腹腔鏡手術  10  10  17
腎部分切除  14  24  41
開腹手術  1  1  0
ミニマム創手術  1  6  10
腹腔鏡手術  12  17  31
腎尿管全摘除  13  14  20
開腹手術  6  3  1
ミニマム創手術  3  7  4
腹腔鏡手術  4  4  15
尿管部分切除  0  0  2
膀胱全摘  14  14  13
開腹手術  7  10  7
腹腔鏡手術  7  4  2
ロボット支援手術*  0  0  4
膀胱部分切除  4  0  3
人工尿道括約筋手術*  0  0  19
高位精巣摘除  5  7  6
後腹膜腫瘍摘除 及び生検  2  3  7
開腹手術  2  3  6(生検2)
腹腔鏡手術  0  0  1
リンパ節郭清  1  3  5
後腹膜  1  3  3
 鼠径リンパ節郭清  0  0  2
陰茎切除及び外陰部切除  0  2  3
副腎摘除  2  2  2
他科との合同手術  29  15  21

*新規手術

検査・処置件数(表2)

 2016年度2017年度2018年度
尿管ステント挿入術 48 39 62
経皮的腎瘻造設術 24 50 28
前立腺生検 60 75 168
前立腺金マーカー挿入* 0 0 44
前立腺スペーサー挿入* 0 0 9

*新規処置