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実績について
実績について
2025年度も、ロボット支援手術を中心に、表1に示すとおり着実に手術を実施することができました。泌尿器・後腹膜腫瘍科は、対象疾患が多岐にわたるだけでなく、腎機能の維持および尿路確保を担う唯一の診療科として、外科・内科を問わず他科診療に大きく貢献しています。
2025年度のロボット支援手術件数は419件(前立腺がん278件、膀胱がん40件、腎臓がん75件、腎盂尿管がん26件)であり、前年度の395件から増加しました。腹腔鏡手術では、副腎摘除(転移性副腎がん、褐色細胞腫)、精巣がんに対する後腹膜リンパ節郭清、ならびに一部の後腹膜腫瘍を主な対象としています。また、前立腺がん術後に発生しやすい鼠径ヘルニアに対しては予防手術を実施し、合併例では同時手術も行っています。スタッフ一同、安全かつ円滑で質の高いロボット支援手術の提供に努めています。
ロボット支援手術が適応困難な症例には、ミニマム創内視鏡下手術を選択し、根治性を担保しつつ低侵襲化を図っています。さらに、尿路上皮がんの診断・治療精度向上を目的として、腎盂尿管鏡下での上部尿路腫瘍に対する生検・焼灼、ならびに膀胱腫瘍に対する術中光線力学診断を積極的に導入しています。加えて、全身麻酔が困難な循環器疾患合併例や超高齢者に対しては、小径腎がんに対する局所麻酔下経皮的ラジオ波焼灼術にも対応可能です。
本年度は、後腹膜腫瘍、精巣がん、陰茎がんの症例増加が認められました。後腹膜腫瘍については、大腸外科や肝・胆・膵外科との合同手術が多いことが特徴です。一方、悪性リンパ腫やIgG4関連疾患など内科的治療が主体となる場合には、CTガイド下生検(表2)を実施し、当科がその後の治療の道筋をつけております。精巣がんおよび陰茎がんでは、薬物療法とともに所属リンパ節郭清が重要であり、放射線科・腫瘍内科との密接な連携のもと、定期的な合同カンファレンスで治療方針を決定しています。
当院では、大腸外科において局所進行大腸がんに対する手術が多数行われており、骨盤内臓全摘、前立腺合併切除、回腸導管造設などに際して、泌尿器科が関与する機会が多い点も特徴です。
さらに当科は、がん治療に関連したQOL(生活の質)の向上にも積極的に取り組んでいます。人工尿道括約筋埋込み術、経尿道的光選択的前立腺レーザー蒸散術(PVP)、ボトックス膀胱壁内注入療法を実施しており、特に人工尿道括約筋埋込み術については本邦における中心的施行施設で、多数の患者さんが紹介されてきます。
手術件数(表1)
| 2025年度 | 2024年度 | 2023年度 | |
|---|---|---|---|
| 前立腺全摘除術 | 281 | 261 | 223 |
| ミニマム創手術 | 3 | 2 | 0 |
| ロボット支援手術 | 278 | 259 | 223 |
| 経尿道的膀胱腫瘍切除 | 207 | 222 | 203 |
| 膀胱全摘 | 41 |
42 | 39 |
| 開腹手術 | 1 | 1 | 3 |
| ロボット支援手術 | 40 | 41 | 36 |
| 膀胱部分切除 | 4 | 1 | 3 |
| 根治的腎摘除 | 17 | 23 | 27 |
| 開腹手術 | 2 | 6 | 2 |
| ミニマム創手術 | 2 | 0 | 2 |
| ロボット支援手術 | 13 | 17 | 23 |
| 腎部分切除 | 65 | 50 | 68 |
| 開腹手術 | 2 | 0 | 1 |
| ミニマム創手術 | 1 | 0 | 5 |
| ロボット支援手術 | 62 | 50 | 62 |
| ラジオ波焼灼術 (腎がん) |
6 | 6 | 1 |
| 腎尿管全摘除 | 26 | 29 | 32 |
| 開腹手術 | 2 | 1 | 1 |
| ミニマム創手術 | 1 | 2 | 3 |
| 腹腔鏡手術 | 0 | 0 | 1 |
| ロボット支援手術 | 23 | 26 | 27 |
| 尿管部分切除(尿管がん) | 3 | 3 | 1 |
| 開腹手術 | 0 | 1 | 1 |
| ロボット支援手術 | 3 | 2 | 0 |
| 尿管鏡下手術 | 7 | 8 | 2 |
| 人工尿道括約筋手術 | 30 | 31 | 19 |
| 前立腺肥大症 | 9 | 18 | 17 |
| 経尿道的前立腺切除 | 2 | 1 | 3 |
| 光選択的前立腺蒸散術 | 7 | 17 | 14 |
| ボトックス膀胱壁内 注入療法 |
3 | 5 | 4 |
| 精巣摘除 | 15 | 10 | 7 |
| 後腹膜腫瘍摘除 | 26(腹腔鏡2) | 20 | 15 |
| リンパ節郭清 | 13 | 6 | 4 |
| 後腹膜リンパ節 | 9(腹腔鏡3) | 4(腹腔鏡2) | 2 |
| 鼠経リンパ節 | 4 | 2 | 2 |
| 陰茎切除及び外陰部 切除 |
8 | 4 | 3 |
| 副腎摘除 | 8 | 6 | 7 |
| 開腹手術 | 1 | 0 | 0 |
| ミニマム創手術 | 1 | 1 | 2 |
| 腹腔鏡手術 | 6 | 5 | 5 |
| 他科との合同手術(注) | 22 | 34 | 43 |
| 総手術数(当科主体) | 1201 | 1150 | 886 |
(注)大腸外科:局所進行大腸がん手術での骨盤内蔵全摘、回腸導管造設、前立腺合併切除、膀胱部分切除、
膀胱尿管新吻合など
婦人科:膀胱部分切除、膀胱尿管新吻合など
検査・処置件数(表2)
| 2025年度 | 2024年度 | 2023年度 | |
|---|---|---|---|
| 尿管ステント挿入術 | 101 | 104 | 128 |
| 経皮的腎瘻造設術 | 34 | 31 | 47 |
| 前立腺生検 | 272 | 266 | 224 |
| 前立腺金マーカー挿入 | 163 | 183 | 194 |
| 前立腺スペーサー挿入 | 8 | 78 | 147 |
| CTガイド下生検 | 28 | 25 | 30 |