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国立がん研究センター 東病院

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がん患者さんへの新型コロナワクチン接種Q & A

本内容は2022年3月6日時点の内容となります。

1.がん患者さんや、がんサバイバーは新型コロナワクチンを接種すべきですか?

  1. がん患者さんは、新型コロナウイルス感染症に罹患しやすいことや、重症化しやすいことが示されています。
    -特に治療中や治療後数年以内のがん患者さん、血液がんや肺がん患者さんなど。
  2. がん患者さんにおけるワクチン効果に関するデータは限られています。
    -米国におけるmRNAワクチン(モデルナ社もしくはファイザー/ビオンテック社製)を2回接種した患者のワクチン効果(注1)は固形腫瘍で79%、血液腫瘍で74%という報告があります。(参考文献1)(外部サイトにリンクします)
  3. がん患者さんにおける副反応のデータも限られていますが、現在までのところがん患者さんに特有の副反応は報告されていません。
    -mRNAワクチン接種後はわきのリンパ節が腫脹することがあり、がんの病勢評価の前の接種には注意が必要です。

以上から、がん患者さんやがんサバイバーは新型コロナワクチンの接種が推奨されています。接種する場合はmRNAワクチンが推奨されます。

しかし、健康な人より効果が劣ることが懸念されるため、接種後もマスクの着用や手洗い、換気をしっかりと行うなどの感染対策の継続が必要です。

注1:ワクチン効果:ワクチン未接種のがん患者さん1万人が研究期間中に100人COVID-19に罹患し、ワクチンを2回接種したがん患者さんでは1万人中10人罹患した場合のワクチン効果は90%となります。(100人罹患するところ、90人の罹患を予防したという意味。)

2.ワクチンを接種してはいけないがん患者さんはいますか?

ワクチンの成分に重度のアレルギー(アナフィラキシーなど)がある場合は接種できません。また、接種当日の体調不良者も接種できません。

これ以外には接種していけない条件というものはありませんが、現在受けている治療の内容によってはワクチンの効果が弱まってしまう場合等があります。詳しくは以下の3、4をご参照ください。

3.がん治療中の場合接種できますか?

がん治療中の患者さんにおける最適な接種時期は不明です。一般的な抗がん剤治療中や放射線治療中の場合は接種できるときに接種することが望ましいと考えられます。しかし白血球が減少するような治療を受けている場合は、白血球数が回復してからの接種が勧められます。また、抗CD20抗体(リツキシマブやオビヌツズマブなど)治療後半年以内はワクチンの効果が乏しいことが示されています。

同様にその他にもワクチンの効果の減弱が懸念される治療もありますので、抗がん剤治療中の患者さんは、接種時期について担当医にご相談ください。(受診が数ヶ月に1回のように安定されているがん患者さんのほとんどは、担当医にご相談せずとも接種可能なときの接種で良いと考えられます。)

造血幹細胞移植患者さんやCAR-T療法後の患者さんも具体的な接種時期は担当医とご相談ください。

4.手術を予定している場合の推奨される接種時期は?

大きな手術の場合は数日から2週間程度の間隔をとることが勧められます。接種後に発熱した場合、その原因がワクチンの副反応か、手術の合併症によるものかの判別が困難となるためです。

脾臓を摘出する手術の前にワクチンを接種する場合は、前後2週間以上の間を空けることが推奨されます。

5.ワクチン接種後に抗体価を測定すべきですか?

現在のところワクチン接種後の抗体価とワクチン効果の関連性は未解明であり、研究目的以外での測定は推奨されていません。

6.新型コロナウイルス感染症にかかった患者さんへの接種は?

新型コロナウイルス感染症にかかった患者さんもワクチン接種が推奨されています。最低限、感染隔離解除基準を満たしてからの接種が推奨されます。

7.新型コロナウイルスへの抗体治療を受けた場合のワクチン接種時期は?

抗体治療を受けてから90日間遅らせることが推奨されていましたが、現在は必ずしもこの間隔をあける必要はないとされています。(参考:厚生労働省(外部サイトにリンクします)CDC(米国疾病予防管理センターのウェブサイト)

8.患者さんの家族はワクチンを接種すべきですか?

がん患者さんのワクチン効果が低い可能性が懸念されています。このため患者さんの周りの人(家族や介護者、医療従事者など)がワクチンを接種して新型コロナウイルス感染症にかからないように注意し、間接的に患者さんを守ることが推奨されています。3回目の接種も推奨されます。

9.がん患者さんは3回目の接種(ブースター接種)が必要ですか?

現在1、2回目のワクチン接種をした18歳以上の全ての方にmRNAワクチンの3回目接種(ブースター接種)が望ましいとされています。特に接種が推奨される対象にがん患者さんを含む基礎疾患を有する方が含まれています。なお、1、2回目と3回目のmRNAワクチンは異なる会社のものでも問題ありません。

CDC(米国疾病予防管理センター)ではファイザー/ビオンテック社製の場合は12歳以上、モデルナ社製では18歳以上のがん患者を含む免疫不全者をブースター接種推奨対象としています。(3回目接種3か月以降(注1))

注1:米国では免疫不全者にはmRNAワクチン2回接種後4週後に3回目の接種を推奨しています。この3回目接種から3-6ヶ月後に4回目の接種(ブースター接種)が推奨されています。

日本ではこのような3回目接種が推奨されておらず、ここでの“3回目“接種は米国における”ブースター接種“の意味となります。

10.その他のワクチンとの接種間隔について

インフルエンザワクチンや肺炎球菌ワクチン、帯状疱疹ワクチンを接種する際には新型コロナワクチンと2週間の間隔をとることが推奨されています。

 参考資料

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